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劇場版 響け!ユーフォニアム 届けたいメロディのhirogonのレビュー・感想・評価

4.0
吹奏楽が好きです。特に、高校あたりのコンクール等を目指して打ち込んでいる姿には弱いです。
但し、聴くのは好きですが、吹奏楽や楽器は未経験です(笑)
マーチングバンドも好きです。多彩なフォーメーションの移動を繰り返しながらの演奏は素晴らしいです。
マーチングのコンクールなどの映像がYoutubeでも見れますので、ご興味ある方はどうぞ!

ということで、高校の吹奏楽の部活動を取り上げた本作は、見てみたいと思っていました。
原作やTVシリーズは知らないので、本劇場版が「響け!ユーフォニアム」の初体験です。
観客が思っていた以上に多く、映画の冒頭で写真タイム(出演人物の静止画面)があり、皆スマホで写真を撮っていました。
何か微笑ましい劇場の雰囲気。原作ファンや吹奏楽関係者が多く詰め掛けているのかな?

映画は良かったです!
全国吹奏楽コンクールを目指す北宇治高校吹奏楽部の部活動を中心にして、部員の悩み・葛藤が描かれます。

本作での主人公は、田中あすか(3年)と黄前久美子(1年)。二人ともユーフォニアム担当です。
あすかは、全国コンクールが高校の部活動最後のイベントで、副部長として部員の信頼も厚く、部を引っ張る存在。
久美子は、そんなあすか先輩を信頼しつつも、時折見せる陰のある表情や言動に、何かひっかかるものも感じています。

あすかには、ユーフォニアムを始めた背景と絶対に全国コンクールで演奏したい理由がありました。
しかし、あすかの母親は吹奏楽の部活動に否定的で、学校にまで乗り込んで部活動を辞めるようにと促すのです。
母親がそういう行動をとるのにも、過去が関連する理由があるのですが…。


(以下、ネタバレ)
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あすかは、部を辞める決断はしないものの、部活動への参加も不定期になり、コンクールの演奏予定者の人選からも外されます。
その分、コンクールに出たいと思っていた他の部員が選定されるので、その人の気持ちという要素も入ってきます。
こういったやりとりは、学校の部活動等では頻繁に発生している身近な話題なので、共感する人も多いと思います。
あすかは、その方針を「誰もが納得することだし、妥当な判断」と大人の意見を言うのですが…。
久美子は反論します。
「あすか先輩は、誰よりも全国コンクールに出たいはず!後悔する事が分かっている決断を自分からするなんて、それで本当にいいのですか?」「周囲に対して当たり障りのない大人の対応を取るばかりでなく、時には自分の心に素直になって、周囲との多少の衝突があっても自分の意志を貫くことも必要では?」
というような事を訴えるのです。この”後悔する事が分かっている決断”というフレーズは、ちょっと心に響きました。

”本音と建前”の使い分けは、学校以外の社会でも日常的にあることですが、建前を気にしすぎて”後悔する事が分かっている決断”を繰り返していたら、それは自分の人生を生きていると言えるのか?結構、本質的な問いかけです。
久美子の言葉はあすかの心にも届いたようです。模試で良い成績をとれたことで母親を説得し、全国コンクール出場を決断します。

そして、全国コンクール本番へ!本番の演奏とあすかの全国コンクールへの拘りの理由とその結果は?是非、映画をご覧下さい(^_^)
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