中薗英助の小説「拉致-知られざる金大中事件」(2002年 新潮文庫)を原作に、1973年に実際に起こった金大中拉致事件の真実に迫ったポリティカル・サスペンス。
先日観た映画「キングメーカー 大統領を作った男」(2021 韓国)繋がりで、金大中氏をググッている時にこの作品がある事を知りU-NEXTで観た。
当時の報道で金大中氏が拉致された事件があった事は知っていても、詳しい内容まで分かっていなかったので、その内容はかなり衝撃的だった。
「韓国の野党で民主化のリーダーの金大中を拉致し殺害する」、何とも大胆で物騒な計画の裏側は、朴正煕大統領から命を受けたKCIA(韓国中央情報部)が暗躍していたと思っていたけど、実際には様々な思惑が絡んでいたのね。😓
計画を知りながら看過した日本の警察、事件に関与した元自衛官、米政府の暗躍。
最終的に政治決着により真相究明の道が断たれた事件かつ原作小説の映画化なので、そのまま全てが事実とは受け止めてはいないけど、かなり闇が深そうな感じ。
終始不穏な雰囲気が漂い、緊張感ある作品だった。
ただ、日本と韓国の時代背景をある程度理解していないと意味不明な部分がかなりあるかも。😓
私はこの時代の韓国史を題材にした映画を観ていたので、少しは理解できたけどね。😅
「史上初の日韓合作作品」の同日公開は、日本では当時話題になったけど、韓国では不入りを理由に2週間ほどで上映打ち切りとなり興行的に惨敗したとか。😓
ちなみに、この事件から生還できた金大中は、その後も様々な迫害をうけながらも、のちに韓国第15代大統領に就任する(1998年〜2003年)。
対して、朴正煕はこの事件の翌年1974年に文世光事件で妻を殺害され、1979年にKCIAの金載圭(キム・ジェギュ)に暗殺された。
