爆破テロによって娘を奪われた老人・クワンの復讐劇と、私欲に塗れ気骨を失った政治家・ヘネシーの転落劇の二軸が絡まり合って進んでいく。
どちらかと言うとヘネシー側の話が主軸として展開するので、ジャッキー・チェンの活躍を期待している人にとっては、少々肩透かしかもしれない。だが、屈強な男たちを相手に、ズタボロになりながら、手痛いダメージを負いながら、どんなに不格好でも相手を倒していく様に僕は痺れた。
また、爆破テロの描写がなかなかに迫力があり容赦もなく、如何に残忍な手口なのだろうか…と思い知らされる。
欲を言えば、クワンの人間性が見える描写にもう少し時間を割いて欲しかったように思う。描写がなかった訳ではないが、「謎めいたモンスター」という印象が(序盤はとても演出として効いているものの)最後まで払拭できなかったのは残念。感情移入の妨げとなり、全体を通して心を揺り動かされるまでには至らなかった、というのが正直なところだ。
個人的には、DVDになった時、吹替版でこのシリアスなジャッキーを石丸博也がどう演じるのかが気になる。「吹替なし」は勘弁！！
あと、エンドロールにはある意味ご注目いただきたいところ😄
