2019/5/18 仙台チネ・ラヴィータにて鑑賞。
“怒らせた相手が◯◯映画” に新たな記念碑が誕生した瞬間だった。
その相手とはジャッキー・チェン。
日本公開決定当初からその虚無の表情が話題になっていたが、いつも我々を楽しませてくれるジャッキーの笑顔も、本作では恐怖でしかなかった。
それに加えてランボー並みのトラップ・スキルを追加しちゃったものだから、相手は御愁傷様と言うほかない。
最近、往年のアクション・スターたちがこぞってアクション封印の作品に出演し、新境地を模索しているが、本作が傑作なのはジャッキーに求めるカンフー・アクションも無理なく挿入されているところにある。むしろ森林でのバトルは近年の中でもベストじゃないかな。ジャッキーは御歳65歳。まだまだイケるで!
そんなベトナム帰還兵のジャッキーに追われるは我らがブロスナン。
登場シーンこそただのジェームズ・ボンドだけど、この人もまた、怒らせてはいけない副首相だった…。IRAの元武闘派を見事に体現し、無精髭もセガールの似合わないそれに比べて貫禄を感じさせる。
監督はマーティン・キャンベル。
『ゴールデンアイ』でブロスナンの扱いはわかっているし、『復讐捜査線』(『刑事ロニー・クレイブン』)では娘を殺された父親の怒りとPTSDは演出済みなので、本作はその集大成とも言える出来栄え。
また、今なお続くIRA闘争に政治ゲームなど、アメリカとはまた異なる英国の闇を映し出すのに加え、本物の爆発にこだわるリアリティからは、さすが職人監督と言われる骨太さを感じた。もしくは『グリーン・ランタン』への反骨精神から?
ということで、ジャッキー、ブロスナン、どちらも大好き人間としては大満足の1本だったけれど、個人的MVPは空港警察だったりする笑
そうそう、本作の主題歌はジャッキーで、自分のことを歌うような熱い歌詞の良曲なんだけど、それまで英語だったのに急に広東語?で歌うから違和感バリバリ。