六花

わさびの六花のレビュー・感想・評価

わさび(2016年製作の映画)
4.0
個人的に大好きな、BGMの少ない作品。
心の病を抱えた人を支える家族はとても大変だと思いますが、表情を含めて芳根京子さんがうまく演じていました。
受験シーズンにその状況になり、ほかに頼れる人がいない状況、そういう人も世の中にはいると思いますが、ひたすら応援したくなる作品でした。

他のユーザーの感想・評価

こう

こうの感想・評価

4.1
女子高生の現状、中々詰んでるけど、それを受け入れて前に進んでいこうとする話を30分という短い時間で綺麗に描いているのが見事です。飛騨高山の美しいけど寂しい風景と芳根さんの凛としてるけど、折れそうな佇まいと重なって、綺麗でした。
大人達のセリフがどれをとっても印象に残る言葉で良かったです。
冬の飛騨高山と芳根京子の表情が美しかった。

「寿司職人なんて無理だよ、やめときな」って言われた時は強く出るけど、
「お前ならできる、大丈夫」って言われた時には弱さというか本心というか、そういうのが漏れちゃうところ、分かるなぁって思った。
その複雑な感情がよく表れてる表情も良かった。

ところどころ(しかもめちゃくちゃ大事なところ)台詞が聞き取れなかったのが残念。
何回聞き直しても分からず…。
のんchan

のんchanの感想・評価

3.8
外山文治監督は作品を観る度に興味津々、魅力を感じます💫

主役、芳根京子は若手女優の中でもトップクラスの演技派と感じるけど、18歳の等身大でキラキラと光る演技は眩しい。既に輝きが違うのを目の当たりにします✨


心の病で寿司屋を続けられなくなった父親(杉本凌士)を側で支えるべく、大学進学を断念して店を継ぐ決心をする葵。
母親(富田靖子)は離婚し、再婚した相手との子供がお腹に...葵の決意を反対するだけで信じられない態度。

高3で自分の将来を棒に振るように思えてしまう。どうにかならないのか観ていてハラハラするが、葵はかつて少年野球チームに所属していて、その監督(下條アトム)と久しぶりに再会する。

飛騨市が舞台。キーンと冷え切った空気を感じる学校のグラウンド、雪がチラチラ降って来る中、とある事情で小指が欠損している監督から3球だけボールを投げてもらう、気持ちを込めて、悔しさと決意と未来を信じて打つ⚾️

ラストはマグロ🍣を握って山葵をたっぷり入れて父親に食べてもらう...ラストの表情がイイ☺️


ロケ地は瀬戸川と白壁土蔵街などで情緒たっぷり✨
雨で道路が濡れている街中。そこに流れる川のほとりに赤い提灯が印象的。
劇伴も落ち着いて雰囲気に合っていた♫
はまち

はまちの感想・評価

4.0
これまでに観た芳根京子の出演作品のなかで、個人的には彼女の魅力が一番活きているように思えて好き。
ふとたまに、見直したくなる。
飛騨古川の街並みもとても美しく描かれており、作品の世界をより一層印象的なものにしている。
なかでも、葵と「監督」が夜の球場でキャッチボールするシーンが、強く記憶に残る。
短編映画とは思えない満足感がある。
女将が切り盛りする小料理屋さんって、常連客が尽きないという話を聞いたことがあります。
僕は行ったことないですけどね。
女将さんの体調の変化で、料理の味付けが毎日少しずつ変わるから、飽きないらしいんですよ。

一流店で腕をふるう女性シェフも勿論いるだろうし、常に同じ味を提供するレストランが好きという方もいます。

ただ僕は、前述の話を聞いて、なるほどなぁと納得した訳です。


本作は、先日鑑賞した「此の岸のこと」の外山文治監督による短編です。




主人公である女子高生の山野葵は、父親が営む寿司屋を継ごうと決意する。
父親は心の病が原因で、しばらく店を閉めていた。
母親は離婚して、別の男性と再婚している。
進学を控えた葵の気持ちは揺れ動く。

「わさびちゃん…山に葵で、わさびちゃんだろ?」
そんな頃、かつて葵が所属していた野球チームの監督と再会する。





葵が進路面談で話していました。
「女性の寿司職人が少ないのは、女性は基礎体温が高いし、味覚も変わるし、寿司を握るとネタの鮮度が落ちちゃうんだって」

そんな理由でなの…?
でも調べてみると、それは初心者だったり、個人差の問題で、どちらかと言うと、もともとが寿司職人って女人禁制の世界だから、少ないのだそうですよ。
最近ではそういった環境も改善されていて、女性の職人さんもいらっしゃるようです。


「アンパンマンって、全部食べられたら何が残るんだろ?」
「さぁ…愛と勇気だけになるんじゃないっすか?」
結構ウケました🤣




葵を演じたのは、芳根京子さん。
やっぱり存在感ありますね。
複雑な心境の変化や揺れ動きを、しっかりと表現しています。

ただいま。待ってた?

なんてことない台詞なのに、葵の後ろ姿は少し涙声に震えてました。
このシーンが大好きです。

監督を演じたのが、下條アトムさん。
僕てっきり声優さんだと思ってたんですけど、元々は俳優さんだったんですね。
エディ・マーフィと言ったら、この方か富山敬さんですよね。

葵の父親を、杉本凌士さん。
喜怒哀楽を失った空虚感を表現するのは、簡単なことではなかったと思います。

葵の母親を、富田靖子さん。
こういうキャラクターでも嫌味なく演じられるのはお見事。


舞台となる飛騨高山の風景、微かに散らつく粉雪が、とても良い演出になっています。



早く戻ってきてね。
tai

taiの感想・評価

3.0
心の病を抱えてしまった寿司職人の父を守るため、自らの将来について葛藤する女子高生を描いた短編作品

芳根京子がよかった!
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4.0

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