このレビューはネタバレを含みます
外山文治作品集2作目。にて1番のお気に入り。
飛騨古川を訪れる機会があり、ロケ地巡りを事前にしていた作品。
本当に綺麗な街並みと、「ここ行ったことある」という優越感、笑
話のストーリーも物凄く素敵。
両親が離婚し、付いて行った父親も病気になってしまう。
その父親の寿司屋を継ぐかどうかの葛藤。
まだ17歳で将来の事を決めなくてはいけない。
先生にも、親にも「私が店を継ぐ」という意思を伝えていたのに、恩師である監督に問われると少し迷ってしまうところ。
「みんなが上手くいくように自分が我慢する」
そういう人間。
「もう詰んでるんだよ」
家庭の事情で仕事を継がなくてはいけない また 生活保護を受ける事情で大学進学の道が閉ざされている。
そんな状況の中の彼女の一言がすごく響いた。
大人の心配なんて無用、ほっといてよ って感じの。
自分の中で決着を付けるために監督の”魔法のボール”に挑戦する。
魔法見たことあるの?という問いに笑顔で応えていたけれど、自分が打つことによって魔法なんてないと証明してしまうジレンマ。
芳根京子の演技が別格すぎた。
彼女の演技は本当にリアルで、短編という事もあり、本当に飛騨高山の街に住んでいるんじゃないかと思わせるような存在だった。
お父さんに初めて?自前の寿司を食べてもらった時、感想を求めるシーンは可愛すぎた、明らかわさび多いよね、それ?笑
お父さんも 「ありがとう」と伝えてから「水」と言ったあたり 優しい親子なんだと思った。
わさびばっかりじゃしんどいけど、人生さび抜きじゃあつまらない。
「早く帰ってきてね。」
2回言うんだけど、そこにもメッセージが込められている。
ラストシーンといい、全体的に表情の変化が凄くて30分じゃあ物足りない!
けど
彼女が今後どんな人間になっていくのか。
見せない という方法で客の想像力に任せているのかと思う。
パンフも買ったし長い事余韻に浸ろう。笑
(スクリーン左後ろにいた帽子を深く被ってた人が芳根京子に見えたのは果たして...笑)
本人でした(Twitter情報)