パンダぽん

春なれやのパンダぽんのレビュー・感想・評価

春なれや(2016年製作の映画)
4.6
映画全体を包み込む桜の花びらが心に残る珠玉の短編映画。
20分の短いストーリーは、ポエムのようで、俳句のようで、多くを語り過ぎてなくて、それがいつまでも忘れられない余韻を生んでいました。

吉行和子と村上虹郎のペアが魅力的で、二人が並んで歩く姿はとても自然なものとして存在し、どことなく恋人のように見えなくもない不思議さがあります。

なんといっても自転車の二人乗りをするシーンがチャーミング。
二人乗りのシーンはこれまでも色んな映画で描かれてますが、たぶんこれは映画史上もっとも年齢差がある自転車の二人乗りでしょう。桜の花びらの中で微笑む少年と老女が、とても叙情的でした。

だけどそれは、人生の光と影を抱えている主人公の葛藤があってこそ。
ただ楽しいだけじゃない日々、その中で運命に逆らいたい想いと願い。
それがこの映画の核だと思います。