小一郎

春なれやの小一郎のレビュー・感想・評価

春なれや(2016年製作の映画)
3.8
渋谷のユーロスペースで「映画監督外山文治短編作品集」(『此の岸のこと』『わさび』『春なれや』)というタイトルのレイトショーが3週間あり最終日に鑑賞。

吉行和子さん、村上虹郎君のブッキングだけでなく、配給、宣伝も一人でこなす37歳の監督だけど、手がける作品からにじみ出るのは良い意味での老成感。3作の中では最もドラマチックさに欠ける半面、しみじみ味わえる作品ではないかと。

「ソメイヨシノは60年経つと咲くことができなくなる」という学生時代に聞かされた噂の真偽を確かめるため、老人ホームを抜け出した女性。

死を意識する年齢の女性が桜に永遠の希望を抱く物語。これからもつまらない日々を過ごすのだろうと思っていた案内役の少年は、その女性の姿に一歩踏み出す勇気をもらう。

これは吉行和子さんの演技を見る映画だったかな。監督は若いキャストにも間近で見るよう勧めていたらしい。あの年齢で、時にキュートな雰囲気を醸し出せるのが凄いかも。演技もさることながら、ご本人の魅力がでている作品かな。

●物語(50%×3.5):1.75
・シンプルで、しみじみする。

●演技、演出(30%×4.0):1.20
・動きの少ない場面、相手の動きや話を受けている場面こそ真価が問われると思うけれど、吉行さんの演技は多分、さすがなのではないかと。

●画、音、音楽(20%×4.0):0.80
・ロケ地の熊本県菊池市の"万年桜"が凄い。一生のうちに一度は行ってみたい。