minorufuku

春なれやのminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

春なれや(2016年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

介護老人ホームで暮らす老いた女性が主人公。彼女はとある目的から施設を抜け出して、かつて通っていた中学校を目指す。一旦は警察に保護されたものの、偶然出会った地元の青年に道案内を頼み、今は廃校となった母校に辿り着くのだが…という話。

外山文治監督の短編を集めたDVDの一編。
他の2作に比べるとストーリーはシンプルで面白味はないが、桜の美しさとメインキャスト2人の道中のやりとりが心地よい作品だった。
人生の晩年に、青春時代の想い出と約束を確かめに行く内容で、主演の吉行和子は年配の女性ではあるが、痴ほうの症状が進んでいることもあり、母校に近づくにつれて仕草が少女っぽくなっていき、可愛いとさえ思える繊細な演技が素晴らしかった。。相手役の村上虹郎はどこか冷めた青年を演じていたが、ぶっきらぼうな態度の中に細やかな優しさや気づかいが感じられて好感が持てた。桜は次の年も咲き続けのだろうが、主人公が来年もそれを見られるかどうかは分からず、また、青年との出会いが一期一会であることが暗示されている点が物悲しくもあった。