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修道士は沈黙するのemilyのレビュー・感想・評価

修道士は沈黙する(2016年製作の映画)
4.0
ドイツのリゾート地でG8財務相会議が開かれる前夜、国際通貨基金の専務理事ロシェは、各国の財務相およびロックスター、絵本作家、修道士を自身の誕生日会に招待する。イタリア人修道士サルスは、食事後ロシェに呼ばれ告解を受けるが、翌日遺体として発見される。その告解について警察の事情調査がはじまるが、サルスは沈黙を守り。。

不思議な銅像、双子、意味深なカットが続き、不穏な空気を漂わせる。鏡やプールの水面、奥行きを使ってミステリアスに、常に何かを感じさせる。じわりじわりと歩み寄り、シリアスな中に皮肉満載で時にその皮肉が笑いを呼ぶ。

小出しに交差させていく過去の描写が今を引っ張り深みを与え、ミステリアスがミステリアスを呼び、思い込みを操るように、想像以上に計算され尽くしている感じがする。

時にあざわらい、皮肉満載で、人間の真意にズケズケと入ってきて笑われているような気分になる。まるで観客を弄び、あざわらい、冷たく捨てられた気分だ。
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