Essini

修道士は沈黙するのEssiniのレビュー・感想・評価

修道士は沈黙する(2016年製作の映画)
3.8
経済vs人道をめぐるおとぎ話。ハイリゲンダムでのG8サミット前夜、IMF専務理事ロシェは修道士サルスと絵本作家クレア、ロックスターの異色の三人をゲストに招く。サルスに告解を求めたロシェは翌日、ビニール袋で窒息死した姿で発見される。殺害容疑を駆けられてもサルスは沈黙の掟に従い、告解の内用を秘す。

一向に動じないサルスに光を見るのか、やがてG8決議事項の重責に耐えられない大臣もサルスに告解し、クレアを助手(?)として決議が揺さぶられ、ロシェの死の真相も明かされる。

「『沈黙は真の自由だ』という言葉は君にお似合いだよ。経済破綻したある国の、詩人の言葉なんだけど」

という台詞の皮肉さよ。この皮肉がすぐにわかるかどうかで映画の味わい深さも違ってくるかと。

アンドー監督作はミステリー調の作品でもトーンが一貫して上品だなと思います。コミカルかつ寓話的なシーンもいくつかあって、黒犬が良い仕事をしてました。新しい主人に与えられた名前ベルナルドは、シトー会の聖人から取られた名前かな?修道士と犬に丸くスポットが絞られて終わるラスト、なんだか懐かしさすら感じる。