修道士は沈黙するの作品情報・感想・評価 - 3ページ目

「修道士は沈黙する」に投稿された感想・評価

ryodan

ryodanの感想・評価

3.8
2018-12-26

異色のミステリー作品。

現在の世界経済について、キリスト教徒の観点から疑問符を投げかけたようなテーマでした。カトリック教、そもそもキリスト教の教義には、はなはだ不信感を抱いていました。結局、聖書の教えを説いて納得させる結末はどうかと思いました。ただ美しい映像、素晴らしい俳優陣にうっとりさせられる画力は見ごたえアリです。セリフの中で「創造的破壊」について論じるシーンが個人的に好きでした。一見すごく正論のような気がするのは、世の中がそうなっているからで、世の常が正しいような気がする錯覚に陥っている。実際、中東で拉致され監禁状態だったジャーナリストの開放を巡って、自己責任論が物議を醸したことも同様だと感じています。個人の道徳観では間違っているのではないかと感じながらも、世の中がそういう解釈だと、そんな気もするという、アレ。世界経済が富める者が富む論理なら、創造的破壊も道理だと信じてしまう。宗教というものに長所があるとするならば、その歴史だと思っています。文明社会と共に宗教も創造され、すさんだ歴史と表裏一体で宗教も人々の生活に根差し、拠り所となっていった。だから根本は、人々の生活があっての社会という観点からの解釈を忘れていないこと。それが修道士に言わせた、野焼きについての答え、「だれが火を点けるんです?」。原始的な社会ですら火を持ったものが、その後の社会で力を持っていった。人類の発展は高度な技術を先んじたものが常に世界を牽引してきた歴史がある。そこには必ず富が生まれ、その富める者達の代表が、この作品となる舞台の列席者という仕掛け。手の込んだメッセージでしたね。そしてこの物語の重要なカギは、修道士が修道士になる前の経歴。そこが心を掴まされたところですね。
資本主義への皮肉たっぷり。
独特な雰囲気で眠くもなったけど、嫌いじゃない。
正直、キリスト教も経済学も分からないけど、面白かった。
この映画はスリルとサスペンスじゃないし、ミステリでもない。まして社会派映画でもない。
映像が綺麗で、神父さんがひたすら格好いい。
なんとなく、お前はそれでいいのか?と問いかけてくる映画。
こんな神父さんになら僕の悪行の数々を告解?したい。
ちなみに、僕の予備校時代の仲間が数学専攻で京都の大学に入り、今は大阪の大学で経済学の教授をやってるらしい。
n

nの感想・評価

3.9
映画祭上映時にうとうとしながら観て以来の2回目。主要登場人物が政府系エコノミストと修道士ということでやはりぴんとこない話題も多かったものの、思っていたより楽しめた。「ある意味で西部劇みたいなもの」という監督のコメントにも、なるほどそれでいいのかと頷く。

主にソレンティーノ作品のおかげでとにかくギラギラに「俗」のイメージが強いトニ・セルヴィッロがどうして修道士?と始めは疑問に思うけど、その一癖ある感じが徐々に生きてきて面白い。

そして、全然覚えていなかったけど、終わり方がとても良かった。ブラウン神父みたいにこの調子でシリーズ化したらなかなか愉快なのでは。
umeshio

umeshioの感想・評価

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2019/04/13

宗教ものが好きなので完全にタイトルに釣られてレンタルしてきたんだけど、最後まで入り込めないまま終わってしまった…
もっとわたしに集中力と学があればなあ、という感じ。
だれかに解説してもらいながら観たいな、なんて映画観てて何気に初めて思ったな。

レンタル
Aya

Ayaの感想・評価

3.3
#twcn

犯人はお前だー!!って話じゃない。

えっ?!この修道士「グレート・ビューティー」の財の限り欲を尽くしたおっさん?!どうしたいきなり?!

そんな俗世間からは一切足を洗ったような、おっさんは、ある銀行の有力者であり財務理事であり、世界の金を動かす力は世界一と言われるおっさん、ロシェの誕生日兼晩餐会&先行きが怪しい政策の財務相会合(一応国際首脳会議)のため、ドイツへ招かれる。

使われる言語は英語、イタリア語、フランス語、ドイツ語。
大変ですw

招待されたお屋敷は広大で警備は厳重。
まあ屋敷の主は重度のアルツハイマーを患っており、記憶はおろか、会話すらおぼつかないのですが、金があるためきちんと介護士を雇って、きちんとした身なりをしています。

作家やエコノミスト、修道士にミュージシャンに大臣と人種もバラバラな多肢にわたるゲストたち。
「世の期待を裏切る我々がせめて幻想をお返ししよう」
とのロシェの考えのもと、集められた人々だった。

ロシェっておっさんが修道士のおっさんに告解を求めた次の日、なんと変死体で発見される。

ホストの側近や一部の本当に必要なゲストたちは緊急会議を開き、困ったことになった、なんであんな無関係の修道士を呼んだんだ?と議論を交わす。
何か裏があるよう。

そして、最後に一緒だった上、ICレコーダーで常に録音をしていた修道士にももちろん疑いの目は向くが、問題となるのは最後に修道士に話す告解自体を他言できないということ。

決定的な証拠はなく、逆に何か秘密を知っていそう!と皆が修道士に取り入ろうとする。

あるものは金にものをいわせ、あるものは脅しにかかる。
しかし修道士のその心と体は神に捧げたもの。
誰にもどうすることもできない。

この修道士の属するカルトジオ会とはカトリックの中でも戒律の厳しい一派。

そして捜査に当たる超絶マブい女性刑事!

しかし、修道士のことを素直に気にかける女性が1人いた。
彼女もこの会議には参加しているが部外者として扱われるデンマーク人の絵本作家。
同じ作家同士、部外者同士自由であると共に安全のためにお互いに気を配り、一つの絆ができる。

そして、死んだおっさんしか知り得ない、この会議の大切なキーになる一つの数式・・・。

ICレコーダーに録音されていた内容とは・・・。

修道士は貫きます。
金銭的に貧しき人々を食い物にし、私腹を肥やすこと、自身の名声を守ることしか頭にない、ここに集いし心貧しき金持ちたちを、神の言葉を借りて、神の御心によりお葬式で罰することを。

そしてそれは大衆の前で言葉でしか語られません。
これをざまあ!と取るか、あんな奴らもっとやっちゃってよ!と取るかに分かれるかも。

先に書いた通り、犯人はお前だー!という話では決してない。

ということは人が死んでるのに、何を主軸に・・・と言われたら結構困りますねw
まあ簡単に金持ちたちの右往左往です。

意外に修道士自体が動揺しておらず、終始飄々としているため、ロシェ自体の死に方は結構な死に方をしているのに、あまり深刻にならない映画。

レンタルに10分ほどの映像特典、日本に監督が来日した際のインタビューが入っていました。
とても良かったです。

各俳優をキャスティングした理由や、キャラクターや細かいシーンの解説まで結構詳しく話してくれる。

やはり、カトリックに根ざした映画だったのよう。
その意味でこの映画で重要な役割を果たす死んだおっさんが死ぬ前にした告解という行為を非常にシニカルに描いています。

この物語は現実にG8会議にアーティストや作家が参加していたことを着想として得たそう。
犬ちゃんや鳥ちゃんなどの動物の使い方やその意味についても言及されています。
そしてこの映画は修道士が1人で世界一の金銭的権力を持った人物に挑戦する西部劇としても楽しめる、とのことです。

機会のある方は是非この特典映像見たほうがいいです!



寺尾次郎
mii

miiの感想・評価

3.3
なんとなーく、大枠理解。

ところどころ、可笑しみあり。
Muscimol

Muscimolの感想・評価

3.2
何も考えずに見たが、宗教や経済の知識が無いとなかなかついていくのが難しい映画だった。無知な自分なりの解釈しかできなかったが、面白かった。
maomei

maomeiの感想・評価

3.4
うーん… 告解を受けた修道士が謎解きの中心になるミステリーかと思いきや、ギリシャの財政危機やお金持ちたちの腹黒さ、キリスト教義的なものや数学…。沈黙する修道士、結局私は置いてきぼりにされてしまった側の人間でした。犬は可愛い。
2016年。ギリシャの経済危機を前に開かれたG8経済サミット。その主役にして国際通貨基金理事の男が、何故か招待されていた修道士に告解したらしい夜に死体となって発見される。「決議の裏を洩らされたのではないか?」と心配になったG8の面々が何を告解したのか聞き出そうとする。
上品なミステリに見せかけた相当にクセのある映画でありつつ、言いたいことはさほど難しいことではない、でも飛び交う台詞はいささか晦渋。コチコチの経済界&政治家vsそういうわけにはいかないでしょう貴方がたと語る宗教家の対決っちゃあ対決なのだけどじゃあポリティカルかと言われると存外にユーモアもあるしフワッ、として終わるし掴みどころがない。
修道士の人の顔がいかにもこの「マジメな修道士です」といった顔をしているのだがこの人が硬軟織り混ぜて追求を交わしていくのは楽しい。結局この人は何なんだと問われるとやっぱ天使みたいなもんだったんじゃないかな、と思う。仲良くなるのが童話作家だし。ひとつの寓話なのでしょう。
G8なので日本からも偉い人が来ていて、この人の策が「理事はこんなひどい奴なんですよ」と告げて言外に「ですからそんな奴の告解なんて秘密にしとかなくていいでしょ」と御そうとするのがいかにも日本的でよかった(よいか?)