Inagaquilala

いつだってやめられる 10人の怒れる教授たちのInagaquilalaのレビュー・感想・評価

3.8
前作「いつだってやめられる 7人の危ない教授たち」の存在も知らずに観賞したが、初めてでも充分楽しめる作品だ。前作では大学を追われた研究者たちが、合法ドラッグの製造に手を染め、一発逆転を狙う物語だったらしいが、本作はその首謀者である神経生物学者ピエトロ・ズィンニが刑務所から出るところから始まる。このときに流れるバックの音楽がかなり印象的で、初めて観る人間にとっては、これから何か新しいことが始まるという気分にさせる。

ズィンニは警察と取引し、蔓延する新しいドラッグの捜査に協力する代わりに罪の帳消しを取り付ける。ズィンニは前回のメンバーに新しい研究者も加えてチームを編成。いわば警察のお墨つきでドラッグを製造する敵役に対することになる。メンバーの専門分野を生かした作戦行動は「オーシャンズ」シリーズを思わせるが、そこはこのイタリアンメイドのコメディは、かなり泥臭い展開となる。

列車と車のカーチェイスシーンはなかなか見応えがある。またイタリアのコメディらしい、速射砲のように放たれるセリフの応酬には、やや乗り遅れてしまうが、これも味なのかもしれない。第3部の存在を暗示するラスト、まだ前作も観ていないので、なんとも言えないが、きっと観てしまうに違いない。主演のエドアルド・レオは、これも傑作のイタリアンコメディだった「おとなの事情」にも出演していた役者。なかなかいい味をかんじさせる俳優だ。
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