こたつむり

いつだってやめられる 10人の怒れる教授たちのこたつむりのレビュー・感想・評価

3.8
★ ナチスの技術は世界一ィィィッ!

『いつだってやめられる 7人の危ない教授たち』の続編…ですが、やっぱり前作は助走でしたね。ノリきれない印象が強かったのは、登場人物たちの性格や周辺の状況を説明するため。本番は本作からだったのです。

だから、当社比三割増しで面白かったですよ。
物語のテンポは良くなっていますし、登場人物や笑えるポイントも増えていますからね。

また、物語の方向性も良かったです。
一度は悪に手を染めた主人公たちが贖罪のために動く…という流れは定番ですし「先が読めてしまう」という弊害もありますが、大切なのは語り口。奇を衒わない展開だからこそ、軽妙な筆致が活きてくるのです。

それに伴い、彼らが教授である必然性も向上。
コメディリーフであった《アルベルト》の活躍場面が増えたのは思わず口角が上がりますし、前作の“ある場面”に繋がる展開も見事だと思いました。

それと、新要素も漏れなく完備。
特にグレタ・スカラーノ演じる警部は最高の極みでした。前作で足りなかった“華やかさ”をフォローするかのように目の保養が眩しいのです。

やはり、イタリアと言えば突き抜ける陽気さ。
根底には社会への批判が流れていようとも「オー・ソレ・ミオ」と歌う気持ちは忘れてはいけないのでしょう。だから、激しい身振り手振りに負けないように、観る側の気持ちもガンガンと前に出るべきなのだと思います。

まあ、そんなわけで。
序破急の展開で言えば“破”の物語。
確実に前作鑑賞必須ですが、その価値がある作品だと思います。ただ、真の評価は完結編の鑑賞後。はたして、大団円に着地できるのか。それとも肩が下がって語る気が失せるのか。うーん。ドキドキしますね。

To be continued… →→→ 
『いつだってやめられる 闘う名誉教授たち』
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