甘き人生の作品情報・感想・評価

甘き人生2016年製作の映画)

Fai bei sogni/Sweet Dreams

上映日:2017年07月15日

製作国:

上映時間:130分

3.7

あらすじ

1969年、トリノ。 9歳のマッシモの前から、ある日突然母親がいなくなった。司祭から母親は天国にいると告げられるも、彼はその不可解な事件を受けいられれず、喪失感に苛まれる。時が経ち90年代、ローマ。マッシモは腕利きのジャーナリストとして成功を収めてきたが、今もなお過去の傷を癒せず、心を閉ざし夢の中を生きているような生活を送っていた。しかし、女医エリーザとの出会いによって長い夢から目覚め・・・。

「甘き人生」に投稿された感想・評価

小一郎

小一郎の感想・評価

4.0
イタリア人ジャーナリストのマッシモ・グラメッリーニによるベストセラー自伝小説が原作。良作とは思うのだけれど、お客さんの入りがわるっ。何故かしらん?

1969年、9歳の少年マッシモの母親がある日突然、いなくなってしまう。司祭から天国にいると諭されるも、受け入れられないマッシモの心の傷は、1990年代、ジャーナリストとして成功を収めた後も癒えることはない。

ざっくりいうと、母親の喪失によるトラウマを大人になっても乗り越えられないでいる男の物語。彼を理解し、愛してくれる女性がいても、その傷を完全には癒すことができないように見える。

この映画が日本でイマイチ受けない理由は、完全な妄想だけれど、イタリアはマザコン社会で、日本はマザコンであることが忌み嫌われるからではないだろうか。

「オーマイゴッド」ではなく「マンマミーア」のイタリア。『ずっとあなたが好きだった』という1992年のテレビドラマでブームとなった「冬彦さん現象」に象徴されるマザコン男性をディスる日本とでは、本作に対する共感度合いは正反対かもしれない。

とはいえ、イタリアが「マザコン社会」だなんて、ググるまで考えたこともなかった。それは次の疑問についても同じ。

母親の死の真相について、周囲の人は腫物にさわるようにし、マッシモに問い詰められた父親でさえも、それを隠す意味がイマイチわからない。「子どもがかわいそう」なのだとしても、トラウマを乗り越えるには現実と向き合うべきなのにどうしてなの? と。それにマッシモも自分で調べようと思えば調べられたはずなのに…。

しかし、これも<「映画の中で母の葬儀は、教会ではなく家で行われていました。当時“自殺”は社会的・宗教的にタブーで、教会での葬儀が認められないことも珍しくありません」>と聞けば納得。イタリアはローマ・カトリック教会が最大教派だもんね。父が教えないことはもちろん、マッシモが無意識のうちに真相究明を避けていたと言われても、まあそうかも、と思ってしまう。
(http://realsound.jp/movie/2017/07/post-92421.html)

ということで、イタリアにおいては広く共感を呼ぶ物語でも、日本では母親の死にいつまでもこだわる情ない、ちょっとキモめの男の物語と見られてのガラガラぶりではなかろうか、と。

喪失対象にこだわられなければ、トラウマに苦しむ男性の苦悩を上手く描いた映画ではないかと。個人的には好きです。

●物語(50%×4.0):2.00
・個人的には好き。友達も母との関係がベタベタだったのもそういうことかと。

●演技、演出(30%×4.0):1.20
・これくらい仲が良ければ、母親がいなくなってショックだよねとわかる。映像で語らんとする演出は良い。問題は自分の知識の乏しさ。

●映像、音、音楽(20%×4.0):0.80
・音楽が結構良かった気がする。
netfilms

netfilmsの感想・評価

3.8
 1969年トリノ、黄色いワンピースを着てオシャレをした母親(バルバラ・ロンキ)は、ソファーに座る9歳のマッシモ(ニコロ・カブラス)の腕を優しく引っ張り上げる。当時の流行歌と母親にリードされるダンス、少年の笑顔。バスに揺られる母子の姿、しかし母親の表情はどこか優れない。つり革につかまるカップルの情熱的なキスを仰ぎ見ながら、少年は母親に「あの人たちキスしてる」と言うが、母親はどこか心ここに在らずな表情で、窓の外を見つめている。終点が来ても、もう1周するわと話す母親の言葉に、少年は黙って従うしかない。その夜、少年が眠りにつくまで見守った母親が「良い夢を」と言いながらゆっくりと立ち上がり、ドアを閉め夜の闇の中に消える。その背中はどこか寂しそうに見える。翌朝、マッシモの父(グイド・カプリーノ)の悲鳴で目を覚ましたマッシモは家族に起きた異常を察知する。集められた親戚一同、黒の喪服、マッシモは母親の名前を何度も叫ぶが、母の姿はどこにもない。9歳のマッシモの穏やかな幼少期は母親の謎めいた死によって閉ざされてしまう。神父が母親は天国にいると伝えても、少年はこの喪失を受け入れようとしない。

 イタリア国内で150万部のヒットとなったジャーナリスト、マッシモ・グラメッリーニのベストセラー自伝小説の映画化である今作は、高度経済成長期の60年代と先行きも不透明になった90年代とを並行して描く。美しい古都トリノと繁栄を極める首都ローマとの対比。幼い頃に母親とソファーで観た『キャット・ピープル』や『カリガリ博士』、大人になっても消えないベルファゴールの幻影はまるでマッシモの守護天使のように何度も立ち現れる。少年期に出会ったお金持ちの友人エンリコ(ディラン・フェラリオ)とその母(エマニュエル・ドゥボス)の過保護な眼差しへの嫉妬心。新しい同居人に拒否されたソファーでの抱擁。ラファエラ・カッラの大胆な踊りやトリノのスタジアムで見たサッカーの熱狂は彼に天職を与えるが依然として彼の心の中には、9歳の頃の母親がいる。大人になったマッシモは二度、死を目撃する。一つ目はある有力者の拳銃自殺であり、もう一つはサラエボの戦争特派員として見た放心状態でゲームを続ける男の子と無残にも殺された母親の死体である。間近で感じた2つの死のイメージは、見ていない「5階バルコニーからの転落」を浮かび上がらせる。精神科医エレーザ(ベレニス・ベジョ)との出会い、パーティでのダンス・シーンの高揚感、母親への永遠のノスタルジーは記憶の中へ閉じて行く。
悪くはないのですが…
飽きずに最後まで観ましたが…
残念ながら、心に残らず
HxMxYxSx

HxMxYxSxの感想・評価

3.4
ソレイユ2にて鑑賞
2017.10.14
2017年7月27日、渋谷ユーロスペースで鑑賞。

この作品の映画チラシは持っていたのだが、全く読まずに観に行ってしまった。
邦題が『甘き人生』で映画チラシは男の後ろから若い女性が抱きついている写真なので恋愛ものだと思っていたら、「えっ、こういう映画なの?」という感じだった(笑)

美人のお母さんと少年マッシモが遊んだり、バスに乗ったりしている。ただ、バスのシーンでバスを降りようとしない母親の姿に違和感を憶える上手い演出。
そして、マッシモ少年は「ママは天使になった」と聞かされるが、信じようとしない少年。遺体との対面も無く、棺桶だけが運ばれる。

その後、喪失感を抱きながら青年、大人になっていくマッシモ。
途中、大音響で「♪ハイウェイ・スター」を聴くシーンがグッド。

ただ、時間軸が行ったり来たりするので、物語を把握しづらい。
「トリノ 1999年」とか「ローマ 1992年」などと表記は出るのだが、映像を追いかける間にチラッと表示されるだけ。ちょっとツラい感あり。

イタリア映画で「母親への愛」を感じる映画だった。

<映倫No.47914>
mar88

mar88の感想・評価

4.0
フォロワーさんが観ていて結構高評価なので、気になって鑑賞。

なるほど、評価に困るというのはかなり頷ける。

幼くして母を失ったマッシモの物語。

母と息子の物語といえば最近だとドランの映画を思い出すのだけれど、こちらの映画は苦しくなる喪失の物語。

イタリア男性は大抵が「マンモーネ」、「お母さん子」らしい。
そんなお母さん子のマッシモが受けた喪失は計り知れなく、許したくなるし、自分を責めてしまうシーンなんて胸が苦しくて大変。


これは男性の映画だなぁと思った。

母親と息子の関係がうらやましくなる、そんな男性の映画。


前に何かで誰かが「あー素敵なお母さんだな。この人に育てられた人と結婚できらた幸せだろうなって思った」と言っていた。

「マザコン」というのは簡単だけれど、一周回ってこんな考え方ができたらどれだけ豊かだろうと思う。

そうそう、全くの余談ですが「オカン」という言葉が全国的に広まったのは、ダウンタウンがきっかけだと言われているということを知りました。
そのテレビ番組世代のわたしは確かに。と深く頷けたのでした。
わたしより少し上の人は母親のこと一回は呼んだことあると思う。(笑)

あと、パンフレットの字体の癖が気になります。
kaorui

kaoruiの感想・評価

4.0
シネマイーラにて、家族3人での鑑賞。

冒頭のダンスの場面は豊かで暖かな絵で、一転寒々としたトラムの絵に切り替わる。
そして突然訪れる根源的な存在の喪失。以降冴えた荒涼とした空気が画面を支配する。
真実を知って、そして飛び込み台のシーンは強烈なインパクトだ。くすんだい青い色、母親の死と同じ高さからすーと水に溶け、力強くプールサイドに這い上がる。そして母親の苦しみ痛みを恋人はたったの一言表現し、解き放つ。
匠の技だ。
Tom

Tomの感想・評価

3.6
トリノのスタジアムの真裏にある家
P後輩

P後輩の感想・評価

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@ユーロスペース
な、なんだこりゃ…まぁ、確かに落下の映画だけどそれが❓って感じ。画面が暗くて妙に影に支配されているのは好きだけどさぁ。
(母親とバスに乗ってる時の母親の顔が逆光で真っ黒になるショットはゾッとしたが)
登場人物の顔に血色が無いのも何時ものベロッキオ。

窓の外の雪は『愛の勝利を』を思い出した。しかし母ちゃんがテーマの映画多いなベロッキオわ。
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