甘き人生の作品情報・感想・評価

「甘き人生」に投稿された感想・評価

美男子マッシモが野生味溢れる大人の男になってしまったのが残念
ラウぺ

ラウぺの感想・評価

3.9
9歳のときに母親亡くし、深刻なトラウマを抱えた男。母親はなぜ亡くなったのか?父親の言う心筋梗塞とは本当なのか?長じて新聞記者となった後も、人を愛すことができず、心を閉ざしたまま生きている。
楽しかった母親との思い出、どうしても母親の死を受け入れられない子供時代と、大人になった主人公を交互に描くことで、そのトラウマの大きさ、そこから抜け出せない男の人となりを描き出していきます。
トラウマに対する向き合い方という点では「マンチェスター・バイ・ザ・シー」に近い映画といえるでしょう。

特筆すべきは主人公の心の襞を実にリアルに、丁寧に描き出していることです。
冒頭の音楽をかけながら嬉々として主人公と踊る母親の姿、何か物憂げな表情で川に花束を投げる母親の姿など、回想シーンでは優しかった母親への想いがひしひしと伝わってくるほか、葬儀の際に神父に食ってかかる姿や、受け入れ難い母親の死のおかげで、ちょっとおかしな言動に走る子供時代の記憶、反抗しながらも母親に大切にされている友人の様子をうらやむ姿等々・・・原作が自伝小説なので、体験者としての具体的でリアルな描写が原作にあるのだろうと推察しますが、過剰な演出を避け、適度な距離感をもって描き出すところに監督の確かな手腕を感じることができます。
更に脇役を含め登場人物達の、ほんの僅かに外連味を漂わす気の利いたセリフの数々が、なんとも心地よい映画体験を過ごすことができます。
謎解きの要素がないわけではありませんが、基本的には克服しがたいトラウマによって引き起こされる小さな出来事の積み重ねのみで映画が成り立っているのです。
あまり自分語りをしない主人公が母親について素直な心情を吐露するところがありますが、全体に抑えたトーンの中で、そこだけリミッターが外れた感があります。また、そこにふと笑いの要素が挿入されることでガス抜けもできるという気の利きよう。
醒めた目で見ようとすれば、単なるマザコン男の追慕に過ぎないように見えるかもしれませんが、その女々しさ自体が主人公のトラウマの大きさを物語ってもいるし、そのことだけで映画が作れてしまうピュアさが一つの驚きでもあります。
主人公はトラウマから抜け出し、新たな一歩を踏み出すことができるのか?
予告やチラシのコピーから予想されるような展開はない、とだけ言っておきます。

ところで、邦題の「甘き人生」とはどのような意味を成すのか?
最後まで観てもこのタイトルの意味合いはさっぱりわかりませんでしたが、原題は”Fai bei sogni”(=良き夢を)で、これは母親が主人公に語った最後の言葉でした。
毎度のことながら、意味不明だったり、まったく本来のニュアンスと異なる邦題を付ける悪習は早急に改めて欲しいと思います。
なぜ今日、この映画を観たのか、運命という綺麗事でしか整理できない。

親という存在はとても厄介なもので、絶対的な存在としてそこに居てくれるのが当然だと信じていたものが、ある日突然無くなって、路頭に迷う。

あの頃に何かを止めてしまったことを、強く共感する。

僕は14年前にそれが起こったけど、14年後の今日を迎えることができたら僕は親より年上になる。

その頃に僕もマッシモ(バレリオ・マスタンドレア)と同じく“甘き人生”を送ることができれば、後は万事が余生だ。

p.s.

悪い思い出話も当然あるけど、綺麗なものを思い出したい気持ち、とてもよく分かります。
☆謎の死を遂げた母、心に傷を持つ男の再生!宗教や戦後イタリア社会の実像まで描く

☆ちょっと少年の母親依存がすごいと思ったけれど、やっぱりショックだよね

☆少年に真相を話さないのは優しさなのか⁇説明すれば9歳なら理解できるはずだが…

☆リタイアしそうだったが、大人になってからの話は見入ってしまった…ラストは印象的で良い
私にとって人生の支えのような映画。それと同時にとてもパーソナルな映画。観賞から一年以上経ってようやくまともな感想が書けるようになった。

だいじょうぶ、ぜんぶだいじょうぶと言ってもらえたような気がした。美しくて優しい夢を紡いでできた物語。「落下」と「墜落」の呪いの垂直運動。 それから逃れるための対抗措置、ベルファゴール。

彼は無意識にちゃんと気づいていたけど、それがなかなか表層に表れて来なかった。じゃあ早く気づいた方が幸せだったのか?否 せかされて気づいたのだとしたら彼はたぶん死んでた。
彼の願い通り、垂直運動の呪いを解いてくれるくれ人はちゃんと、ちゃんと彼の目の前に現れた。だいじょうぶだよ 私は違うよって。

お母さんが呟いた「良い夢を」の意味がまだちゃんと処理しきれていない。夢から目覚めさせたのが彼女だとしたら母のその言葉はなんて悪い冗談!

この映画はフロイトとユングの心理学がベースになっているんだろうな。意識の表層と深層。

私の人生を丸ごと肯定してくれた そして今後もずっと支えにして私は生きていくのだろう作品。
たった一度しか見ていない。もう一度見直してみようと思いつつもなんだか恐ろしくて見れない、そんな神聖な作品。
乾きが官能の気配になるなんて知ってましたか?イタリア映画のこの豊潤な気配が私は大好き! なんて地中海文明的な色っぽさ。それに子供服がこんなに洒落てるなんておかしい!笑

映画好きの友人が私の感想を聞いて、この作品を観賞してくれた。その感想がとても嬉しかった。
『この映画が好きだというあなたの感受性がとても素敵。』
Clara

Claraの感想・評価

2.0
すっかりご無沙汰してしまっていたイタリア映画を鑑賞。
マッシモ・グラメッリーニというジャーナリストの自伝小説が原作。
マッシモ氏は幼い頃に母を亡くして以来、あまりのショックと喪失感により人を愛することを止めてしまい、空虚な人生を送っていた。しかし、ついに運命の出会いが訪れ、それを機に一歩踏み出すことができたというのだ。

観ていてどうしても頭から離れない思いがあった。それは、完全なるステレオタイプだけど…「LOVE MOM♡」なイタリア男らしい話だなと。大切にするのはいいことだけど、マザコン級は鳥肌がたってしまう私…イタリア映画だから、そこまでなることはないけれど、ネガティブな感覚が残ってしまう。30年間引きずり続けているわけだし。

ものすごく長い間、空虚な人生を送ってきた彼に訪れた運命の出会いというのも、どこか母の面影が重なるような相手。結局はそういうことなのか…と思う節も正直あったが、それでも、その出会いがきっかけで人生を変えていく勇気を持てたなら、変えていけるのなら素晴らしいことだ。
ただ、他者が具体的にその過程に関わってくるということはなく、一人舞台という感じだった。

彼が持つ空虚感は、ところどころで見て取れる。「無関心」と指摘されたり、戦場取材で何を見ても心の動きは最小限。空虚な心をもつ人々に響いた彼の言葉によって、人気者になった時でさえも喜ぶことはない。唯一大きく心が動くのは、やはり「母」が絡むときなのだ。とことん「母」なのだ。

なんだかんだ言っても、ひとつ非常に印象深いシーンがあった。これのおかげで、観たことを悔やむことはなかったと言ってもいいかも。笑 マッシモが子供の頃に通っていた学校で、母親の死をいつまでも受け入れることができず、会いたがり続ける彼に老神父が諭すシーンの台詞がよかった。
『大切なのは悲しみに立ち向かうことだ。被害者になるな』
『「もしも」は敗者の印だよ。勝者の印は「にもかかわらず」だ。』
Aki

Akiの感想・評価

2.5
良い夢を。
が原題の直訳なのねん。
ママン大好き期にそうなったらそうなってしまうんかーという感じ。
Tomoo22

Tomoo22の感想・評価

3.5
イタリアのお母さん愛の文化を知れる映画。
ただ、30過ぎまで母の死の真実を知らないというのは色んな設定を加味して少し無理がある感じ。
母の愛は偉大🤱
moviEEE

moviEEEの感想・評価

3.0
なんだろうね、この物足りなさ感は。有名なジャーナリストの自伝がモトらしいが、彼を全く知らないからだろうか、引きずっているものが、ただ暗ーく長い。「敗者は”もしも”、勝者は”にもかかわらず”だ」by神父さん それと”甘き”とパッケージ写真で連想する映画と全然違ったww 90年代後半でその業界なら記事検索ぐらいしたらと思った。
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