シネフィル母ちゃん

しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイスのシネフィル母ちゃんのレビュー・感想・評価

3.3
タイトルのせいか、ハートウォーミングな可愛らしい暖かい作品かと思ったら、終始漂うのは「哀しい、切ない」だった。
冒頭で、モードの置かれている状況の過酷さがわかり、この時点で胸が苦しくなる。

映画を観る前にモード・ルイス夫婦について調べたり動画を観たんだけど、イーサン・ホーク演じるエベレットが想像と違って暴力的でイライラしてしまった。
私の中ではエベレットはほんわか爺さんのイメージだったので、「え?実際はこうだったの…?」と、困惑。
エベレット、結局最後の方しか好きになれなかった。
終わりよければすべてよしなのかな。
私には、結婚前の二人の関係が素敵とは何1つ思えない。
実際の映像で観たルイス夫妻の関係が微笑ましかったからこそ、映画とのギャップに心がついていけなくなった。

そして、サリーホーキンスの素晴らしさよ…!!!モードにしか見えなかった!
パディントンのお母さんというイメージしかなかったけれど、こんなにもこんなにもこんなにも素晴らしい女優さんだったなんて!圧倒的な演技に痺れた。。

観ていてずっと苦しくて辛かったけれど、エンドロール前のルイスの可愛らしい笑顔を観たら、温かくて幸せな涙が流れた。

天使のような人だった。