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しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイスのhirogonのレビュー・感想・評価

4.0
サリー・ホーキンスとイーサン・ホークの演技が素晴らしい!

実在のルイス夫妻を描いた作品。
wiki によると、モード・ルイスは以下のように紹介されている。“フォーク・アートの画家。田舎の風景、動物、草花をモチーフに、明るい色彩とシンプルなタッチで温かみと幸福感のある絵を描いた。カナダで愛された画家の一人である。”
映画は、カナダ、ノバスコシアの風景をバックにして、モード(サリー・ホーキンス)とエベレット(イーサン・ホーク)が出会う辺りからの半生を淡々と追ってゆく。

モードは、絵を描くのが好きだけど、関節リウマチを患っていて、手足の動きに少し不自由がある。両親が亡くなって、おばさんの所に世話になっていた。兄が1人いるが、この兄貴がクズ。

エベレットは、孤児院育ちのちょっとぶっきらぼうな魚売り。男一人暮らしに不自由を感じて、家政婦を募集。この募集を見つけたモードは、エベレットを訪ね雇ってくれるように頼み、ひとまず住み込みで働くことに。
モードは、ずっとおばさんの世話になることを嫌い、働いて自分の居場所を見つけたかった。

モードとエベレットは初めは衝突もありますが、お互いが必要な存在になっていきます。
エベレットは雑なところはありますが、根は優しい部分もあり、段々とモードに愛情を感じるようになる。
モードは家事をこなしながらも、壁やカードに絵を描くことで、心が開放されていくようです。エベレットが「こっちの壁には絵を描いてもいい」とモードに話す場面は、彼の優しさが垣間見えます。
モードがニワトリを絞めるシーンには生きる逞しさみたいなものも感じました(刃物を振り下ろす瞬間目を瞑ってしまいましたが、直前で場面転換するので大丈夫でしたね)

そのうち、モードの絵を買いたいという人が現れ、雑誌やテレビにも取材されるようになります。
モードとエベレットもようやく式を挙げて夫婦になります。
エベレットとが魚を運ぶ手押し二輪車を押しながらモードを連れて歩くシーンや二輪車にモードを乗せて運ぶシーンも良かった!

その後、絵を買いたいという人が家に多く押しかけるようになることに苛立つエベレット。加えて、モードが昔に産んだ娘(障害で亡くなったと聞かされていた)のことで二人の関係が一時もつれるのですが…。

静かな映画ですが、自然に頬が緩むようなシーンも多く、心がゆったりとしていく感覚がありました。
”障害を抱えていても、気持ち次第で自分らしい人生は送れる”そんな勇気をもらえる作品です。
エンディングでは、実際のルイス夫妻の写真が見れます。

「パディントン2」、「シェイプオブウォーター」、本作と変幻自在の演技を見せるサリー・ホーキンス。アカデミー主演女優賞あげたいなあ~。女優賞とったスリービルボードのフランシス・マクドーマンドも良かったので両方あげたいですが(笑)
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