たつかわ

しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイスのたつかわのレビュー・感想・評価

3.7
絵はモードの作品ではあるが、家は2人の作品。

イーサンホーク演じる孤独なエルベットが、居場所のなくなったモード(サリーホーキンス)を家政婦として雇うところから始まる。エルベットは孤児院で育ち、粗暴で周りからは疎まれる存在で町はずれで暮らし、魚の行商を営んでいた。モードは叔母の束縛から逃げるために家政婦になる。当初はモードが口答えをすれば、ビンタが飛んでいき、家畜以下の扱いだと言われる。

日本の戦前戦後の夫婦のような関係の二人だが、勝手にモードが壁に絵を描き始めて、エルベットが自宅の一部の壁であればということで許可を出したことをきっかけに、画家モード・ルイスが世間に見つかることになる。エルベットが絵に対しての教養があるわけではないのに何故壁に描かせられたのは、優しさなのか、孤独を埋めるために必要だと思ったのか、それは観て感じてください。

モードが有名になってもお互いが支えあって、最終的にはとても現代的な理想の夫婦になった。そして孤独な中年が住む小屋が、夫婦が作り上げたとても明るい小屋にもなった。絵はモードの作品ではあるが、家は2人の作品。

サリーホーキンスは、「シェイプオブウォーター」でも思ったが、ハンデを抱えた孤独な女性を演じさせたら右に出るものがいないだろう。

おススメです。
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