ゆりな

しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイスのゆりなのレビュー・感想・評価

4.0
学生時代、授業サボって唐突にBunkamuraで「わたしを離さないで」を観て泣いて、そこから1人映画の道が始まった。
8年ぶりのBunkamuraも変わらず、大号泣させてくれた。思い出深い映画館があるって素敵だなぁと思った。

サリー・ホーキンスと「シェイプ・オブ・ウォーター」が話題になる裏で、ひっそりと公開された本作。
「パディントン」然り、どんな映画にもピタッとハマれちゃうサリー・ホーキンスの演技の幅広さに改めて驚く!
そしてかっこよくないイーサン・ホークにも驚く。2人の演技とキャスティングだけでも、この映画は十分すごい。

花男のごとく仲良くない2人が距離を縮めていき、華やかじゃないけど、どこか楽しそうに歩くシーン(カットは毎回引いた構図)にキュン。そして、ふいをつかれた優しいラストに大号泣したし、映画館でもすすり泣く声が聞こえてた。

もし誰かのことを嫌いになったとしても、思い出まで嫌いになる必要はない。むしろ思い出は大事にしてあげよう。
素直すぎる主人公、不器用な旦那の2人を見ていると、ベタベタ甘々なのだけが愛じゃないなぁと。むしろ「ラ・ラ・ランド」と同じく、言わなくてもどこか通じてる方が愛だ。
優しい良い作品でした。
ゆりな

ゆりな