このレビューはネタバレを含みます
まるでそこだけ時代にとり残されたかのような暮らし。不器用な二人とカナダの四季に彩られた街外れの小路は、あっという間に何年も経ってしまうから気が抜けない。
最初、自分の居場所に必死にしがみつく彼女の姿が、どこか危うげでまるで綱渡りを見ているかのようだった。
観ているこっちは気が気ではない。
そして、網戸のエピソード。結局迎えに来るし、家までつきとめるし、なんだかんだ言っても愛してるってことが伝わってきて、その度に目頭が熱くなった。
残酷な真実に胸を撃ち抜かれた後半は、何故だか自分でもよく分からないけれど何度も涙が頬を伝っていた。
なんといってもモードルイスの絵。温かみがあってすごくいい。家に飾っておきたいぐらいだ。彼女の作品は劇中では5ドルくらいで売っていたけれど、本国では小品でもオークションで500万円を超えるとか…
買えるかっ!!!
最後の本人映像、モードルイスにサリーホーキンスの面影が見えたのには驚かされた。イーサンホークはちょっといかつすぎるけれど、この二人の好演あってこそなんだと思う。なんともあったかい余韻の残る映画だった。
ちなみに、うちの2歳児にクレヨンを持たせると、スケッチブックをはみ出して床までキャンパスにする。後始末係の私としては、あまりクレヨンを渡さないように努めていたけれど、たまになら、いいかな。