重いリウマチを患い家族からも邪険に扱われてきたモードと、孤児院育ちで日々を生きるのに精一杯で人間嫌いのエベレット。二人の奇妙な共同生活の中で、不器用な二人の間に育まれた愛が心を打つ作品だった。
偏屈で意固地でときには乱暴ですらあるエベレットの奥底にある愛を見抜いて信じぬいたモードの強さが、エベレットを成長させていく様が美しい。
クライマックスは、二人の質素な結婚式。
ダンスを踊る二人の足もと、モードの不自由な足を自らの靴の上に乗せて踊るシーンには、エベレットの思いやりが凝縮されていた。お互いを不揃いな靴下に喩える独特な会話も含めて、ベストシーンだった。