キッチー

ジェイン・ジェイコブズ ニューヨーク都市計画革命のキッチーのレビュー・感想・評価

3.5
ル・コルヴィジェの『輝く都市』をモデルにニューヨークの都市計画を進めた建築コーディネーターのロバート・モーゼス。自動車社会を信奉する彼が推進した高層ビルや大規模住宅、高速道路といった近代建築が人々の生活を壊していく負の側面。
この作品は『アメリカ大都市の死と生』という著書を持つ作家で活動家の主婦ジェイン・ジェイコブズが当時の都市計画に反対した60年代の草の根の住民運動やその思想を紹介するドキュメンタリー。
現代社会に対する警鐘も示唆されており、見応えがありました。モーゼス的な大規模開発は世界中に広がっていて、日本やアジアも例外ではないのですが、ジェイコブズの視点も大事だと思いました。特に街はそのコミュニティに属する人々のものだという視点を考えて作られていかなければ破綻してしまいますよね。シャッター商店街や団地のスラム化など、多くの問題も発生している近年。彼女の考えに解決方法が隠されているのかもしれません。
井戸端会議する人々がいるほど、ストリートがコミュニケーションで溢れるほど、安全が担保される...主婦の意見は侮れないですね。
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