この作品を観て何かを発言しないことは、劇中の"人権問題に関わりたくない"ゆえの傍観者と同罪だぞ！とのことです。多分。
イエロー(卑怯者)と呼ばれた時点で、今作で描かれている差別は白人の黒人に対するものだけではなく、人種差別だけでは括れないものであることが確定する。
人間個人の価値観や行動の実直さ愚かさに焦点が当たった序盤〜中盤に対して、差別の芽が出る瞬間を映した終盤。
差別心は強者だけのものではないし、人の人生を変える。
少なくとも本作には誰にも人権があることを理解していない人は居ないのに、どこからかねじれが生まれ、穴を無理くり埋めるような保身行動の末、差別問題として具体化する。
物事はなるだけ簡単な解決方法になるよう無意識のうちに求められて、最初は個人の問題であっても、白人が、黒人が、警察が、と一括りになっていく。
この構造、地球が終わるまで無くならないと思う。
ジョン・ボイエガとウィル・ポールターのバチバチの演技バトルも観れたし大満足。
"黒人に聞かせるための音楽"が流れるエンドロール。
美しい反面、イエロー的にもとても居心地が悪くて最高でした。
