ナツミ

デトロイトのナツミのネタバレレビュー・内容・結末

デトロイト(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

スクリーンから漏れ出てくる緊迫した空気におちおちジュース飲んでられなかった。白人警官の高圧的な様子をオモチャの銃で再現するシーンはかなり怖い。そしてそれが地獄への序章...冗談や勘違いがすぐ死に繋がる。怖すぎる...。

ただ楽しい夜を過ごしていただけの黒人たちが警官に摘発されるシーンから始まり、怒りの暴動シーンに突入していく。はじめは怒れる黒人たちにそらあんな扱いされたらそうもなるわと感情移入していたけれど、暴力が暴力を呼ぶ様に恐ろしくなってくる。普通に、無為な暴力を振るったり振るわれたりせずに生きていきたい黒人も白人も居るのに、その人たちが暴力から逃れられないのは本当に恐ろしいし悲しい。やりきれない話だった。
歌を愛してたラリーが、白人が踊る音楽を許せなくなってしまうのも辛かった。親友が殺されて、警官らの罪も裁かれることなく...人生が変わってしまった。最後に歌う聖歌がすごく胸を打つ。

ディスミュークス役のジョン・ボイエガ、誠実さや慎重さを伴う勇気をまとった顔でぴったりだった。彼がきちんと警備員として存在してて、モーテルで理不尽な目に合わないキャラクターだったから、尋問のシーンの絶望感が凄かった。こんなに気をつけてきちんと生きていても、そこにいただけで罪をなすりつけられるなんて、どうしたらええんや......。
そして警官サイドでピカイチいけ好かねえウィル・ポールター、どっかで見たと思ったらレヴェナントの少年やん!フィッツジェラルドもびっくりな今回の役、とても良かった。
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