msy

デトロイトのmsyのレビュー・感想・評価

デトロイト(2017年製作の映画)
4.0
極右のデトロイト市警官を演じた
ウィル・ポールター、
私は「なんちゃって家族」「レヴェナント」を観ているのみですが
こんな役もできるんだと驚いた。
童顔とアンバランスな低音のいい声。
しかもすごい態度でかくて
現場を指揮しており年齢不詳、
不気味さ倍増。

対して全くの不運で事件に巻き込まれ
壁に手をついたまま立ちっぱなしで
ない罪を吐けと警官からの尋問を受ける
8人の若者たち。
瑞々しく素直でかわいい若者たち。

ボーカルグループの
ザ・ドラマティックスとして成り上がろうと
目をキラキラさせて張り切っていた若者の
心と体を打ち砕く恐怖の一夜。
リードボーカルのラリーのその後は
彼の受けた傷の大きさを物語って余りある。
ソウル・ミュージックとゴスペルについて
パンフレットに解説があり
ラリーの選択の意味を知った。

1967年のこのデトロイトの暴動のあと
1989年にはフィクションですが
スパイク・リーによる映画
「ドゥ・ザ・ライトシング」があり
この後に1992年ロサンゼルス暴動が起こり
Black Lives Matter運動というものが
今なお起こっているそうなのです。
これは黒人の命もまた大事
という今さら述べる事が
信じられないようなフレーズで、
さらにはこれを曲解して
黒人ばかりでない、全ての命が大事であると
トンチンカンな意見を述べる者も
いるそうなのです。
トンチンカンはこれ見ろと言いたい作品です。
デトロイトはリーマンショック後に荒廃し
「ドント・ブリーズ」の強すぎる老人の
お宅がデトロイトだったのですが
あんな廃墟のような街に
なっていたそうなのです。
それが今復興の兆しを見せているそうで
であれば
デトロイト市にとってはさらに
意味のある作品だと強く思った次第です。

監督と役者さんの素敵な画像を
(画像というか記事、
本文は私読めませんがタイトルが
ドゥ・ザ・ライトシングですね)
見つけたので貼ります。
ラリーを演じたアルジー・スミス、
特に美しかった。

http://www.elle.com/culture/movies-tv/a46328/detroit-kathryn-bigelow/
msy

msy