たつかわ

デトロイトのたつかわのレビュー・感想・評価

デトロイト(2017年製作の映画)
4.1
手持ちカメラを使ったドキュメンタリータッチの群像劇で始まるが、「この指とまれ」と言わんばかりの銃声で全員集合。そして地獄の40分。その後の裁判シーンが、救いのない裁判で最後まで骨太。

監督は、この事件を過去作と同様に綿密に調べ上げた。被害者の一人であるラリー・リードにインタビューしたが、50年経った今も、事件の話になると彼は動揺を隠せずにいる。

2009年に起こった白人警官が丸腰の黒人を射殺した実話を映画化した「フルートベール駅で」という映画があり、本作と同じ点がある。「フルート~」はある1人の若い黒人の命と希望を奪った。違う点は「フルート~」は、実際の暴行映像が登場したように動画を目の前で撮影することができるということ。しかし、物質的な部分で補っても精神的な部分で満たされなければ意味が無い。その日はいつ来るのだろうか。

白人警官役であるウィル・ポールター。「へ」の字の眉毛が特徴的で、権力にぶら下がっている小役人みたいな顔には思わず「適材適所」と言わざるを得ない。子役の時から、「リトルランボーズ」では悪童、最近では「メイズランナー」では憎まれ役そして本作では決定的な悪役を演じている。もしかしたらデトロイトの街を今歩けば、黒人に殴られる可能性があるレベルだろう。ちなみに彼はイギリス人。

おすすめです。
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