中庭

デトロイトの中庭のレビュー・感想・評価

デトロイト(2017年製作の映画)
2.1
ウィル・ポールターがにやけるときの口許の決まり、口角の上げ方に注目。あれほど嫌悪感を抱かせる口の動きはそう見られない。
ジョン・ボイエガ演ずる警備員の座りが悪く、目撃者としての立ち位置を守るわけでもなく途中で問題のモーテルから退場させられ、あげく容疑者にでっち上げられそうになり当事者性を帯びることになるが、その転換が終盤で回収されずに終わってしまう。
取調室という狭い空間の中までも、人物の感情に沿うようにカメラを動かし続けるのは少し無理があったかもしれない。
容疑のかかった警官と死んだ若者の最後の会話のやりとりにこそ、強引なまでに記録性を演出したことで意義が空転しかねなかった今作における最も重要なフィクションの強度がみなぎっていた。
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