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デトロイトの小のレビュー・感想・評価

デトロイト(2017年製作の映画)
3.9
社会的な問題を刺激的映像で押しまくる映画かな。黒人の不満が爆発して起こった1967年のデトロイト暴動と、その最中に起こった白人警官による黒人たちへの、殺人にまで発展した尋問をリアリティ満点に描く。

文句のつけようのないテーマで、胸を締め付けられる尋問シーンに白人警官の横暴許されまじと、多くの人が思うであろう内容。その緊張感、息が詰まる感じはさすが。

アメリカ社会における白人警官と黒人の関係は50年前と何も変わっていない、あるいは、また酷くなっているかもしれないということが、本作が意図することなのだろうと思う。

白人警官が黒人に対し不当な行為を働いているということは、日本でもテレビでしばしば見かけるうえに、個人的には『ストレイト・アウタ・コンプトン』でも知るところ。

しかしそれゆえに、インパクトという面では弱く、尋問シーンは長く感じてしまった。映画の内容は事実のファクトに寄っていて、物語の深みが自分的にはイマイチと思ったのも残念。

地元デトロイトの黒人によって結成されたバンド「ザ・ドラマティックス」のメンバーに、事件後の進み方に違いが生じたことが興味深かった。名声を得ることでクソ社会に溶け込もうとする者と、クソ社会に交わることを拒否しようとする者。このことをメインに据えたドラマを観てみたい気がする。

●物語(50%×3.5):1.75
・目をそらしてはならないテーマ。目新しくないことが良いのかもしれないけれど…。

●演技、演出(30%×4.5):1.35
・緊張感ある雰囲気、集団の恐ろしさは良く出ている。

●画、音、音楽(20%×4.0):0.80
・リアルな感じがナイス。
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