声なき声が多すぎる。真相は究明されないのではない、究明なんてしないのだ。すべてに耳を澄ませていたら、とても生きていけないから、知らないふりを、他人のふりをしているだけで。
1967年のデトロイトで起こった事件を痛烈に描きながら、その本質は、2018年の日本でも何も変わらない。
圧倒的な理不尽、絶望的な不条理を前に、響き渡る歌声に涙が止まらなかった。言葉にできない想いを抱えて生きるひとのなんと多いことか。
壮絶な人種差別の歴史の中で亡くなっていったひとも、いじめに悩んで人生を終わらせたひとも、何でもなく平凡に生きてるひとも、一生に感じる幸せの総量は、どうか同じものであってほしい。
