PORK

デトロイトのPORKのレビュー・感想・評価

デトロイト(2017年製作の映画)
3.8
TOHOシネマズデイなので1100円で視聴。今まで混雑を予想し敬遠してましたが、本日の環境が「平日・映画の題材」vs「カップル来やすい映画館・バレンタイン」の末、十数人という快適空間で鑑賞に至る。僕、満足。

見る予定には愚かにも入れていなかった今作だが、ヒルマークスのレビューが高かったので見たという次第だが、見て良かったです。安全圏にいる僕たち視聴者も一瞬の隙も見せられない緊張感。いい意味でも悪い意味でも上映時間の長さを感じなかった。これもまた息もできない映画である。

ポリの汚職もんはやはり面白い。忠誠心や厳格さ、ホモソーシャルが紡ぎ出す狂乱がまじでツボです。この映画は汚職ってレベルじゃないけどな。狂気のウィル・ポールターくんも顔は結構幼いのに、いや幼いだけにこの無双乱舞は非常にホラーであって同時にエクスタシーであった。

ただ警察組織が核から末端までシームレスに腐っているわけではなくて、正義を貫こうとする中間があまりにも握りつぶされ、閉鎖され。風通しが悪いとはまさにこのこと。『日本でいちばん悪い奴ら』にも通ずる、「それでも組織はいけしゃあしゃあと体質を変えずに在り続ける」ことが吐き気を催すほどに印象付けられる。

この問題に直面して、ディスミュークス・ラリー・フレッドそれぞれの反応の対比は悲しいほどに綺麗で、理性的な行動をとっていたディスミュークスは『何者』の拓人くんにしっかり重なっていく。皆で嘔吐しましょうや。
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