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デトロイトのAKのレビュー・感想・評価

デトロイト(2017年製作の映画)
4.1
『ゼロ・ダーク・サーティ』(2012)でCIAのビン・ラディン殺害作戦における超法規的捜査と拷問を正当化した(byジジェク)キャスリン・ビグローが、1967年に白人レイシスト警官が行った超法規的捜査を糾弾する。彼女のポリティカル・ターンそれ自体が、2010年代の縮図だ。

黒人を三人射殺したレイシスト警官を演じたウィル・ポールターのインタビューが素晴らしい。偏見と反知性主義が結託するとき人種差別が生まれるのだと喝破し、それは今まさに起こっていることだ、と。本当に難しい役だったが、彼の演技は見事だった。
https://www.youtube.com/watch?v=qvRiXcsPADE

最も難しい役を演じた当人がこう語るなか、日本では最高学府の超売れっ子政治学者がお得意の両論併記で中立をアピールしたリベラルバッシング。そのコメントが話題になる中、早速テレビで差別煽動。ポールターの指摘の正しさを身をもって証明した。レイシズムは1967年のデトロイトじゃない、ここ日本で起きている。
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