ペジオ

デトロイトのペジオのレビュー・感想・評価

デトロイト(2017年製作の映画)
4.4
フィルマークスの表記によると142分
「映画」だから…ましてやアカデミー賞受賞者が作る様なちゃんとした作品だから、どれだけ長くとも「いつか必ず終わる」事を僕らは知っている
絶叫アトラクションと同じで「安全の確保された危険」として僕らは消費してる

偶然とも必然ともとれるピタゴラスイッチ的な過程を経て「現実」に起こった悲劇の事件
映画の主題でもあるこのシークエンス(事件の事は全く知らなかったので、てっきりデトロイト暴動の終焉までを描いた映画だと思ってた。)は「シチュエーションスリラー」的
異常なシチュエーションを「支点」とした力学の「作用点」である被害者側の黒人は勿論、「力点」である加害者側のデトロイト市警の警官達も同じ事を考えていたのではなかろうか?

この夜はいつ明けるんだ…

終わりの見えない地獄(報・連・相さえしっかりしておけば…)
手に余る事態の悪化に、警官達も暴走を止められず落としどころを見失ってる感じがある
ある意味でどちらも結果に過ぎず「作用点」になるのかもしれない(じゃあ「力点」たる原因は何だ?)
状況に酔ってしまう様なキャラクターの説得力を体言したウィル・ポールターが素晴らしい

事件後の顛末など過去の事実を描いていながら、明らかに今の現実に繋げようとした製作者の意図

この夜はいつ明けるんだ…
ペジオ

ペジオ