がんがん

デトロイトのがんがんのレビュー・感想・評価

デトロイト(2017年製作の映画)
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この動画を観て、自分が流した涙の理由がまだ言語化できません。

https://twitter.com/avril24th/status/1267402211778113536?s=21

45歳の人も、31歳の人もこれまで何度も怒ってきた。でもその怒りでは何も変えられなかった。何も変わらなかった。

16歳の少年は何ができるのか。16歳の少年に何を求められるのか。真剣な眼差しで頷いている16歳の少年の心を思うと、胸が締め付けられるように苦しくなります。

この動画を観てから、いまアメリカで起きている真実を知りたいと思いました。


なぜ今暴動が起きているのか。まるで映画のジョーカーのような出来事が、いま現実に起きてしまっているのか。

これは映画のようなニセモノでもないし、日本だから関係のないことと割り切れないし、映画の世界のように対岸の火事でもないとわたしは思いました。

複雑過ぎて簡単にはわかりませんが、勉強することはできると思いました。何が起きているのか目を逸らさずに、知ろうとすることはできると思います。


映画からたくさんのことを学びました。

ブラッククランズマンから、2017年にバージニア州のシャーロッツビルで起きた悲しい出来事を知りました。

グリーンブックから、60年代のアメリカにおいて、南部に行けば行くほど黒人差別が酷くなることを知りました。

家族を想うときから、宅配ドライバーの視点から資本主義社会における搾取を知りました。

Girlから、LGBTQの人々の心と身体の不一致における葛藤や悩み、精神の機微を知りました。


そして本作デトロイトにおいて、アルジェ・モーテル事件という許しがたい事件を知りました。

これは1967年に起きた史実であり、日本人であり現代に生きるわたしにはとても信じられないことですが、民間人である黒人への殺人や暴行を行った差別主義者の白人警官が全員無罪判決を下されている。

あまりにも酷い行為や発言のお芝居なので、ウィル・ポールターは撮影中何度もセットの中で耐えきれず、泣き崩れたそうです。

歴史を繰り返してはいけない、との想いからなんとかこの差別主義者の白人警官役を演じきったとのこと。


ミネアポリスでジョージ・フロイドさんが5月25日に亡くなられてしまってから、デモや暴動がどんどん過激化していっています。

弟であるテレンス・フロイドさんが6月1日に破壊や暴力に訴えるのはやめよう、と訴えられました。どれほどの怒りの中で、その心を必死に冷静に押さえ込んで発せられた言葉かと思うと胸が痛い。

冒頭にリンクを貼った動画の通りだと思います。

怒りや暴力からは何も生まれないし、何も変わらないと思います。

わたしは政治的思想があるわけでもないし、何かをアピールしたいわけでもありません。むしろ政治的知識も乏しい。

だからこそ、まずは真実を知りたいと思いました。

正しい情報を追いかけていきたいと思います。
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