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グッバイ・ゴダール!のInagaquilalaのレビュー・感想・評価

グッバイ・ゴダール!(2017年製作の映画)
4.2
この作品の主人公は、ジャン=リュック・ゴダール監督の2番目の妻、アンヌ・ヴィアゼムスキー。彼女の自伝的小説を原作にしてつくられた作品だ。アンヌ・ヴィアゼムスキーは、ゴダールの監督作品「中国女」で主演をつとめた女優。かつて、この作品を観て、すっかり劇中で毛沢東語録を掲げるアンヌのファンになった。いわば、自分にとっては、若き日のヒロインのひとりだった。ゴダールの前妻、アンナ・カリーナに少し似た感じもあったが、アンヌ・ヴィアゼムスキーには力強い知性のきらめきを感じたのだ(ややデビューした頃の桃井かおりにも似ていた)。

アンヌ・ヴィアを演じるのは、ラース・フォン・トリアー監督の「ニンフォマニアック」にも出演していたステイシー・マーティン。正直、実際のアンヌよりは、キュートで可愛いが、雰囲気は似通ったものを発していた。作品では、ゴダールとの愛の日々を描かれるのだが、途中で心が離れていく様子は実にリアルに感じてしまった。監督はアカデミー賞作品賞を受賞した「アーティスト」のミシェル・アザナビシウス。「アーティスト」とは、また違ったアプローチで作品に取り組んでいる。映像では、ゴダールへのオマージュのような仕掛けも登場するが、内容はゴダール作品のような難解さはあまりなく、かなりとっつきやすい。もちろんアンヌ・ヴィアゼムスキーを描いた作品なのだが、やはり、ところどころゴダールへと言及した表現もあるので、観ていて楽しい。好きだな、この作品。