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グッバイ・ゴダール!のKUBOのレビュー・感想・評価

グッバイ・ゴダール!(2017年製作の映画)
3.6
ゴダールって子供だったんだな。

7月2本目の試写会は「グッバイ・ゴダール!」。

ゴダールの妻だった、昨年亡くなったアンヌ・ヴィアゼムスキーの自伝の映画化。ラッキーガールのロマンスを思わせる予告編だったが、メインになるのは当時吹き荒れていた左翼思想による革命運動に傾倒していくゴダールの姿。

9.11や3.11の後にもアーティストがその意味を自問するようなことが多く見られたが、ベトナム戦争に荒れる60年代の世相の中で、ゴダールも「映画」そのものの意味を問い続け自らを追い詰める。

その描かれ方もやや滑稽だ。学生の討論会に出かけてはブーイングを浴びて退席を繰り返し自信を失くす姿は、巨匠のそれではなく背伸びをして言葉を操ってみせる学生たちと変わらない。特に「生き残ったユダヤ人たちは、現代のナチだ!」と言って場を凍りつかせた、この言葉の意味は何なのだ? 全く意味不明。

だいたい37歳にして20歳の嫁をもらい、革命を謳いながら、すぐカンヌだ、ローマだ、フィレンツェだと優雅にお過ごしになって、労働者もクソもないだろう。

革命ごっごにうつつを抜かし、若い妻を放ったらかし、女優である妻の相手役の俳優に嫉妬し、自殺未遂までしてみせる。あー、情けない。まるでガキ。天才にありがちなマジでイタイ奴だ。

私は実はゴダールの作品を見ていなかったので「女と男のいる舗道」だけ見てから本作を鑑賞したのだが、僅かでも見ておいてよかった。本作を撮る手法もゴダールのそれに習っており、全体を細かく章立てにしてそれぞれタイトル画面を出したり、女優のアップの多用や会話シーンの撮り方など、ゴダール作品へのオマージュが感じられた。きっとあれもこれもオマージュに違いないと思われる印象的な演出があったので、ゴダールの他の作品も見てみたい。

ゴダールのファンはもちろん、あの時代を生きた団塊の世代の方々が一番この作品の空気を感じることができるんだろうな。

最後に、妙にちんちんがハッキリ出てきます。見たくないんだけどな〜。えー、なんでそっちー!って感じでした(^^)