幕のリア

グッバイ・ゴダール!の幕のリアのレビュー・感想・評価

グッバイ・ゴダール!(2017年製作の映画)
2.8
絶対寝ると思ってたけどイケた!

悔恨、停滞、逡巡、決意、救済…
どうにかこうにか縁や運にも恵まれ、一条の光に包まれるはずと思いながら、必死に次のシーンのサムシングを渇望していたからだと思う。

期待は見事に裏切られ、何のカタルシスも得られないこの厳しい現実。
懲りない男には当然の帰結。
不思議と不快でもない清々しさは何なのか?
教条的に見ようなんて思わない。
アンヌの自伝が原案であるから、女性の母性と男の愚かをドラマティックに映し出していれば、それ以上望むべくもないと納得するしかない。

〜〜

この時代の世界的な左翼化には全く興味が無い。
ゴダール同様に言葉が上滑りしているだけで、何も生み出していないし、何も残していない。
同時代に言葉にならない怒りや焦りをギターにぶつけた音楽の針の振れ方にしか興奮出来ない。
デモシーン含めて大変退屈でつまらない。
そういう演出なんだけど。

ゴダール作品群に改めて触れよう!という気には全くならず当惑。
時代の空気感皆無のライトな映像も残念。
これまた演出なのかと思えるほどに。

日本でも「乱」クランクアップまでの黒澤、仲代、勝新を描いたドタバタなんかを映画化してくれんだろか。
欧米でも需要あるだろうに。

モザイク無しのTINTINは十分に見所の一つ。
ボロリンと音が響いてきそう。

あ、カンヌの話ししながらク*二とはこれいかに。
失礼しました。


2018劇場鑑賞63本目
幕のリア

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