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グッバイ・ゴダール!の小のレビュー・感想・評価

グッバイ・ゴダール!(2017年製作の映画)
3.8
ジャン=リュック・ゴダールの作品の鑑賞歴は次の通り。まず『勝手にしやがれ』『気狂いピエロ』を連続鑑賞しポカーン。『はなればなれに』は面白そうだったけれど寝落ち。『軽蔑』はちゃんと観て面白かった。

そんな自分だけれど、本作はまずまず面白かった。ゴダールの2番目の妻で『中国女』の主演アンヌ・ビアゼムスキーの自伝的小説『それからの彼女 Un an après』が原作。

1967年にアンヌと結婚したゴダールは、中国の文化大革命に影響を受け革命に傾倒し、商業映画との決別宣言文を発表。1968年、フランス・パリで学生や知識人によるデモ・ストライキが激しさを増す中、フランソワ・トリュフォーなどともに第21回カンヌ国際映画祭を中止に追い込み、その後「五月革命」が起こった。

というような一時期の物語。パートナーの気持ちより自分の気持ちで、変わり者の映画の天才・ゴダール。彼が映画に没頭しているのなら、同じ方向を向いているアンナも我慢できたのかもしれない。しかし、彼が一番輝ける映画はそっちのけで革命にのめり込んでしまったらアンヌの気持ちが離れて当然だわな、という感じ。

とはいえ、彼自身は好き勝手なことをやっているわけで、アンナにフラれたことは不本意かもしれないけれど、まあ幸せだよね。そういうゴダールのキャラがなんか好きだった。憧れがあるのかもしれない。

あとゴダール作品鑑賞歴4作の自分でも、ゴダールの特徴ある撮り方のシーンが随所にあり「こういうのって、観たかも」というのもちょっと楽しかったかな。

●物語(50%×3.5):1.75
・革命家時代のゴダールを切り取った感じかな。

●演技、演出(30%×4.5):1.35
・ゴダール役のルイ・ガレルがいい味出している。アンヌ役のステイシー・マーティンも好き。ゴダール的演出が楽しい。

●画、音、音楽(20%×3.5):0.70
・当時のパリの雰囲気が感じられたかな。
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