ゴダール映画のミューズにして2人目の妻であった女優・作家のアンヌ・ヴィアゼムスキーの自伝小説を映画化。
ゴダールと出会って恋に落ち、『中国女』の主演を飾り、妻となってゴダールと過ごした日々が描かれる。
これ、『アーティスト』の監督だし、かなりの酷評しか目にしていなかったので、まったくもって期待はしていなかった。
しかし、ルイ・ガレルとステイシー・マーティンが好きなので鑑賞。
初めてこの作品のスチール観た時、ルイ・ガレルの風貌に衝撃受けたな…。
は、禿げてる…。イケメンが台無しじゃないか…と。
でもそのルイ・ガレルの、ゴダールなりきり具合いがとても素晴らしかった。
アンヌ役のステイシー・マーティンは本当にもうずっと目が釘付けになるくらいに魅力的。ファッションもいちいち素敵だし、どんな表情も美しい。めちゃくちゃ目の保養。。
ストーリー的にも意外と面白く興味深く、私的には思っていたより悪くなかった。
ゴダールはとても好きな作品ももちろんあるけれど、観ていない作品もあるし、観たけどよく理解出来ない作品も多いので、私にとっては奥深すぎてよくわからない存在なんだけど、ゴダールの人となりがこんなにも面倒くさくて偏屈だったのか…と解ったのは面白い。
これは、「ついていけない…」ってなるよねぇ。。友も仲間も、愛する人さえも。
やはり、天才はいつも孤独。なんだねぇ。
全体に色んなオマージュや、皮肉的な台詞があったりして、印象的なシーンもいくつもあった。
カンヌからの帰りのぎゅうぎゅう詰めの車内での最悪な口喧嘩のシーン、
ベルトルッチと絶交するに至るシーン、
朝食を食べているアンヌにゴダールが話しかける時の、表面的な会話にカッコ書きで本心を描写するシーンとか、面白かった。
それぞれの修羅場的なシーンでの、アンヌのなんとも言えないような表情が、絶妙だった。
そして、いたたまれない気持ちにもなった。
当時19歳だったアンヌはとても大人で冷静で理知的だったのねぇ…と思えた。
原作の自伝、読んでみたい。