マレムリン

テキサスタワーのマレムリンのレビュー・感想・評価

テキサスタワー(2016年製作の映画)
4.1
ロトスコープアニメーションで事件の経過が語られていくが、その合間に現在の老いた生存者たちのカットが挿入されることで、肌の質感の落差によって、この事件で失われたものや経過した時間が浮かび上がってくる。
回想形式+ロトスコープという様式のおかげで、事件のセンセーショナル性は薄れ、その代わりに当時そこで実際に個人がどういうことを考えてどういう行動をしたのかというのが強調される、という演出効果がうまい。
市井の弱き人々のなかにも英雄がいて、しかし怪物もいる、というのが説教臭くないのに理解できる。
クライマックスでかかるドビュッシーが荘厳。