ぽんた

あさがくるまえにのぽんたのネタバレレビュー・内容・結末

あさがくるまえに(2016年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

音楽、波、心臓、それを失う少年に丁寧に語りかける医師、窓に腰をかけた少年が彼女へ向けて微笑んだ顔、最後の後ろ姿を想う彼女、女性が目を覚ました時の表情……沢山印象に残るものがある映画だった。

そして、失う側、臓器移植に希望を委ねる側、慣れた医師、それとは受け止め方の違う医師、コーディネーター……当事者達とその周りの人々。臓器移植に関わる色々な人達を映しているところが良かったなあ。

少年のエピソードを付け過ぎないところも、こちらに特別な感情移入をさせないので良かった。

普段生活していて臓器移植の事は考えない。知識もない。同じ世界の話だという事の実感もない。でも、今回この映画を見て同じ世界の話だと感じる事が出来たように思う。

命を失うのはもちろん嫌だけど、自分以外の別の人の心臓を受け入れるのはどんな気持ちなんだろう。臓器移植の色々な問題や難しさを知った気がする。

鑑賞後時間が経ってからも、綺麗な映像とそれに付随する胸の苦しさを思い出してしまう映画。
ぽんた

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