TOT

ポリーナ、私を踊るのTOTのレビュー・感想・評価

ポリーナ、私を踊る(2016年製作の映画)
3.9
とても良かった。
ダンスとフェミニズムを結ぶ、プレルジョガージュ振付の詩情。
ロシアから南仏そしてベルギーへ。
クラッシックからコンテンポラリーに憧れ、ストリートを経て、ダンサーからクリエイターに、挫折と再生の果てに自分を創造するポリーナ。
家族の願いはボリショイのプリマ、恩師に晴れ姿を見せたい、でも自分の踊りを踊りたいと、流れ流れて見つけた原風景と彼女の旅の全てのような踊り。
南仏で、ビノシュ演じる振付師にあなたは何者?って聞かれたポリーナが、父は貧しい生まれのジョージア人、母はシベリア出身と言うシーンがとても好き。
その後でビノシュが見せる南仏の陽の光のように明るい踊りと、ポリーナが見せる厳しい冬景色のような踊りの対比も良い。
あとまあ、ロシアでクラッシックを学んだダンサーがコンテンポラリーに魅せられてフランスに向かう時点で山岸涼子の『アラベスク』を思いださずにはいられませんでした。

私は私。
光に向かって歩いて置いてきた、失った、後ろの影に気づいて、拾って、私は私になった。
おめでとう、ポリーナ。

しかし今年公開で観たフランス映画どれも好きだな。
TOT

TOT