ダミアン君に恋してる

フェブラリィ 悪霊館/フェブラリィ -消えた少女の行方-のダミアン君に恋してるのレビュー・感想・評価

3.5
「バスルームが怖い…」

美女がバスタブでシャワーを浴びるシーン。このあと何かが起こるぞ~起こるぞぉ~とイケナイ事を期待して心がざわつくこの演出、どこかで…

そう!『サイコ』だ。
間違いなくサイコを意識している。

それもそのはず、本作の監督オズグッド・パーキンスさんは、ノーマン・ベイツことアンソニー・パーキンス氏の実の息子さん。ちなみに音楽はもう一人の息子のエルヴィス・パーキンスさんが担当している。

まさにサイコの遺伝子受け継ぐパーキンス兄弟が手がけた作品。

このなんというか、モヤのかかったような、時間が止まってしまったような作風、独特だよね。

NETFLIXオリジナル『呪われし家に咲く一輪の花』も、彼が監督だったなんてっ!!

派手なBGMに一切頼らない恐怖演出。かすかに聴こえる不吉な旋律のエフェクト音。「無音」という最高に息苦しい効果演出。

セリフの少ない中、細々と彼女らの口からこぼれ落ちる貴重な手がかり。

私はこの作品、やられたぁぁあ~!ってなった。だって最後まで頭の中「???」だったもん。「え?最後どうなってどうなったの?」って。人のレビュー読んで初めて真相を知る。自分の理解力の無さよ…。

それにはきっと、ある先入観が邪魔したんだと思う。だから頭が混乱した。それだけ簡単には分かりにくい作品。

登場するキャサリン、ローズ、ジョアンという3人の女の子達には一体どんな関係性があるというのか。中でも謎の多いジョアンはキーパーソンになってくる。

私が一番注目したのは不思議ちゃんキャラのキャサリン。シスターに向かって暴言吐く時のキャサリンの顔…イッちゃってるあの顔がめちゃくちゃ怖かった。マジで怖かった。あの子、不気味な演技上手い。

淡々としてるようだけど、多分怖いと思うよ、この作品。

『ヘレディタリー継承』で見せつけられたイヤ~な感じ、ゾッとする恐怖。あれに似たジワジワ地面を這ってくる狂気を少しここでも感じられた。

『サイコ』『ヘレディタリー継承』ともう一つ思い浮かぶのは『ドニーダーコ』。ミステリアスな描写と運命を告げる謎の影。

ティーンがメインのホラーって下品でどうしようもなくくだらない作品のイメージがあるけど、これは一味違う。

オカルト&スラッシャー要素があるのも嬉しい。

残酷にも脆く分裂する心。
おぞましく美しい惨劇の残り香。
戦慄の展開から導かれる悲しいラスト。

オズグッドさんは女性の繊細さや物悲しさを静かなホラーで描くのが好きなのかも。

父親のアンソニー様がこの作品を観たら、どんな感想を持つのかなぁ?そんな事を考えちゃう♡

凝った脚本に、作品が持つ独特のリズム。最後まで目が離せない不思議な魅力のあるサスペンスホラー。

私にとってのエラく特別な想いがここに♡