TAK44マグナム

ザ・ヴォイド 変異世界のTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

ザ・ヴォイド 変異世界(2016年製作の映画)
3.7
こんなんなっても生きてたいの?


あの、ヤンチャなB級映画を作られせたら一周回ってA級のおバカさん映画になってしまうカナダの誇るおもしろ映像製作集団アストロン6の雄、ジェレミー・ギレスピーとスティーブン・コスタンスキの2人がタッグを組んだグチャグチャでドロンドロンなモンスター映画。


引っ越し間近の病院を舞台にした、カルト集団や謎のクリーチャーに襲われる人々の苦闘。
テーマはズバリ、「永遠の命」!

今回はマジメ一辺倒なので、「ファーザーズデイ/野獣のはらわた」や「マンボーグ」みたいなアストロン6印の底抜けとは違った魅力を放つ出来栄えとなっております。
アホらしい笑いとは無縁の、どこまでも腐臭が漂う様な異世界感が素晴らしい。
しかし、オリジナリティがあるかというとそうでも無い。
70年代から、ホラー界隈ではよく表現されてきた、所謂ひとつの「地獄の門」ってヤツですよね、これ。
たぶん、ルシオ・フルチとか、あの辺りが好きなんだろうなぁ。
あと、異形のクリーチャーがメインディッシュとなる映画を語る時によく挙がるのが、やはりクトゥルフ神話。
そのあたりが好きで好きで、自分たちでも新しい解釈の異界モノを撮りたかったというところなのでしょう。

クリーチャーの造形や特殊メイクが非常に生々しくてGood!
CGでは出せない異様さが、本作を語る上で外せない最大のヒットじゃないかな。
不気味な雰囲気づくりも巧く、だんだんと絶望に包まれてゆく過程が丁寧に描写されていますよ。
意外性のある人物配置も無駄がなく、伏線が後半効いてきます。


しかし、惜しい。
まず、何が起きているのかがよく分からない(苦笑)
監督によると、わざと分かりにくくしているという事なのですが、いくら何でも説明不足すぎやしませんかね。
特に、乱入してくる親子について背景が不明瞭。
幻想シーンがありましたが、それでもいまいちピンとこない。

理解不能な事が次々と起きて、主人公の警官は状況をきちんと把握できていたのかな?
あれじゃ何がなんだか、さっぱり分かんないんじゃないのか(汗)
いや、お話自体は簡単なんですよ?でも、何がどうしてそうなるの?みたいな疑問が最後まで晴れないでフィニッシュしちゃう。

また、やたらめったら照明が点滅したり画面が暗かったり赤かったりで、せっかくのクリーチャーの姿形がよく見えずにストレスがたまります。
こういう見せ方が好きな方もいらっしゃるかと思いますが、個人的には「エイリアン」よりも「エイリアン2」派なので、もっとハッキリクッキリと見たかったです。

ちょっと分かりづらさでモヤモヤしつつも、序盤の殺人シーンや、地下へおりてからのクリーチャー祭りは最高でした!
顔に穴あいちゃっているのとか、地獄の奇人変人(実験の犠牲者なのでしょう)が大集合する様は恐ろしいけれどワクワクしてしまいますねえ!

あと気になった点は、物語の起点となる農場での出来事について。描写こそないものの、台詞から察するに、モロに永井豪先生の「デビルマン」そのもの。
そう、デーモンと合体するために催されるサバトです。
「生まれ変わり」とは、デーモンとの合体だったのか?!
デーモンと呼ぶにはゲロっぽい連中ばかりだったけれど(汗)


ヌルヌルの触手系がお好きな方に特にオススメ。
作り手のこだわりがつまった、恐怖に酔いしれるツアー旅行・・・
ただし、目的地は地獄、帰りのチケットはありません!


レンタルDVDにて