ゆみな

マイヤーウィッツ家の人々(改訂版)のゆみなのレビュー・感想・評価

4.2
近年のノア・バームバック作品とはどうも相性が悪くてね…これも対して期待はしないで観たんですよ。そしたら、最高にハマりまして!これがNetflixで観れる時代って最高だな~って思いました。素晴らしかったですよ。

褒めまくっていますが、実は序盤はそこまで入り込めなくてね…父親ハロルド(ダスティン・ホフマン)が入院したあたりからどんどん夢中になり…。ラストまで観たらもう1度観たくなって繰り返し観たんですよね。そしたら人間関係しっかり理解してから観る方が、かなりしっくりきましてね。すべての会話が計算し尽くされているような…どこを切り取っても彼らの劣等感や疎外感が伝わってくるんですよ。彼らはずーっと家族の中で居場所を探している気がしてね…それがラストまで観るとなんとなく見つかったかな…って思える。上手く伝えられないな。観てもらうのがいちばん伝わると思う。

今作で私がいちばん好きだったのはやっぱりダニー(アダム・サンドラー)なんですけど…自己中親父ハロルドに振り回されて散々な思いをさせられている長男役ですね。ハロルドの自慢の息子の次男マシュー(ベン・スティラー)とは、なんとなく距離がある。そして、幼いころの写真は1枚もなく…最早空気的な存在の妹ジーン。この三兄妹(異母兄弟なんだけどね)を中心にストーリーは組み立てられているんですよね。
とにかくダニー役のアダム・サンドラーがほんとに素晴らしくて!私はアダム・サンドラーそんなに好きじゃないので、まさか褒める日がくるとは思っていなかったよね。でも、彼の演技…最初から最後まで最高だった。で、彼の娘役のグレイス・ヴァン・パタンの瑞々しさにも要注目で、脱ぎっぷりもいいし存在感抜群で、『浮き草たち』でも好きだったけど、この映画で更に好きになりました。

サングラスは誰のものなのか…作品の名に相応しいのは誰なのか…。なりたい自分になれないことを受け入れるのが、どれほど精神の安定をもたらすのかって事ですかね。やっぱり、家族のお話は好きですね。オススメです。
ゆみな

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