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マイヤーウィッツ家の人々(改訂版)のikumuraのレビュー・感想・評価

3.7
Uncut Gemsで始まったアダムサンドラー祭り。
これは僕もかなり気に入った。
ニューヨーク、ユダヤ人、芸術家肌の一家。
エキセントリックな肉親の存在や幼い時から特別であることを期待されること、
サリンジャーの小説にも通じるものが。

ダスティンホフマンが演じる、自分の望む名声が得られずプライドの高さを拗らせてしまった家長、いかにもいそう。
自分の才能を誇っていて、それが本物だとしても、少しの人間関係や商才の差で大きな違いが出てくるのかもしれない。
「才能はあったはず」の二人の息子(アダムサンドラーとベンスティラー)は、違う形ではあるがその世界から早々に身を引き、
やや影の薄い長女(エリザベスマーベル)ともども人生を振り回してきた父を半ば恨みつつ心の拠り所にもしている。
というか父親の価値観が自分の尺度。どうしたら親離れできるのか?

父親は三回結婚しているので上の兄妹と弟は母親も違い、いまの義母はエマトンプソン(これもぴったり)、となかなか複雑な家庭。
そんな中、素直に自分の才能を伸ばしていく長男の娘で映画監督の卵、イライザ(グレイスヴァンパタン)は微笑ましい。
作ってる自主制作映画は謎だけど😂

アダムサンドラーもいいんだけど、ベンスティラーやっぱ好きだなあ。
まさにユーモアとペーソスを醸し出せる俳優、深みを感じた。
二人が取っ組み合いをするところは逆に予定調和的というか、むしろいちゃついてるみたいに見えた(笑)
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