イチロヲ

江戸艶笑夜話 蛸と赤貝のイチロヲのレビュー・感想・評価

江戸艶笑夜話 蛸と赤貝(1974年製作の映画)
4.0
ハニートラップを利用した窃盗行為を常習している2人組の女性(小川節子&大山節子)が、言い寄ってくる若旦那(柳家かゑる)を言葉巧みにかわそうとする。江戸末期の艷笑喜劇を描いている、日活ロマンポルノ。

柳家かゑる(現・鈴々舎馬風)とケーシー高峰が凸凹コンビとなり、主人公の女盗賊を相手取った、腹の探り合いを展開させる。まるで、現在の快楽亭ブラックが新作として考案しそうな、純然たるエロ時代劇となっている。

本作では、薄幸な役柄が多い小川節子が、自由奔放な女性像を熱演。女の七変化を駆使しながら、飄々と世渡りしていく姿が憎々しくも可愛らしい。パートナーとなる大山節子の、凛とした顔立ちとたわわな乳房の調和もまた婀娜っぽい。

捨て身の精神で求愛してくる若旦那のリアクションが刺激的であり、主人公が四苦八苦させられる展開がいちいち面白い。小川節子の引退作でもあり、撮影時すでに妊娠していることも踏まえて、ロマンポルノ最初の分岐点とも捉えられる。
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