■ 概要
新聞漫画で有名な漫画家マッケイが、自分の絵を自由に動かしたいといった熱い思いの元で、見事に命を吹き込むことに成功した作品。
■ 感想
◎シナリオ
監督のマッケイ自身が、観客にブラキオサウルスと思われる恐竜ガーディーを紹介する。
・大木をボリボリと貪り食う。
・巨体を揺るがせて足踏みをする。
・巨大なマンモスを口で持ち上げ、遥か彼方へ放り投げる。
・湖の水を全て飲む。
上記の命令をマッケイ自身が下し、それをガーディーが実行する。
大した話ではないのだが、まるで動物園で何かしらのショーを見ているような、不思議な愛らしい物語と感じてしまう。
後述するが、これはマッケイの演出や作家性が天才的としか言いようがない程に高いからだと思う。
◎ 演出
公開当時、まだセル画が開発されていなかったので、紙に描いた絵を動画で撮影するしかなかった。
もちろん背景も一枚一枚描き込むしかない。
一つの作品を製作するのに途方もない時間が掛かると思うのだが、その苦労の甲斐があり素晴らしい演出となっている。
手作り感がレトロチックでたまらなく良く、本来は不快でしかないハズの画面全体が震え続けるのも、味があって心地よい映像となっている。
アニメーション初期とは思えない程、三次元的な空間の捉え方やガーディーの立体感が違和感なく表現されている。
気品が高くセンスも抜群にいい。
■ 総評
リアル感がある動く絵の力を最大限に活かしている。
ジャパニーズアニメの先取りともいえる作品なので、アニメや映画が好きな人は必ず観るべき作品だと思う。