子供は大人に失望して、大人になる。
未来を閉じ込めて…自分にも失望する。
クソ喰らえ。
そんな言葉をお腹の中に溜め込んで。
大人になっても、まだ失望は続いてく…
大人なんて本当にクソ喰らえ…だよ。
実話ベースということは…現実は作品の中で描かれる以上に酷かったんでしょう。
被害を受けていたのは…逃げ場のない、弱い立場の子供たち。悪魔のような大人たちの所業に、震えるほどの憤りを感じる。
怒りが自分に反射するから、心が凍ったまま煮え滾る。熱破壊が起きて砕けそうになる。
お前も、そんな大人の一員だ…って。
そっち側には絶対にいたくないのに、無自覚にその領域に立ってしまってるって事に絶望しそうになる。それじゃ生きてられないから、心に麻酔をかけて麻痺させてる。
私は素直じゃないからかな…
捻じ曲がってしまって、泣けなかった。
エルマーほどの勇気も出せないでヘッポコ大人になってる自分に…世界の空気が薄くなった気分になる。私は手を差し伸べられる心を保ってるんだろうか…怖くなるよ。
月の近くにある天国。
叶う、叶わないは結果でしかなくて…
夢見るって事の尊さに救われる。
最も愚かなのは…何かに裏切られることじゃない。自分で自分を裏切ること。
裏切れば…幽霊になっちゃうから。
未来が険しくても、自らの意思で切り拓いていく姿。重たくて苦しい作品だけど、強い心の輝きを感じさせる良作。