さわら

シェイプ・オブ・ウォーターのさわらのレビュー・感想・評価

5.0
もともと期待値高かった映画。「イライザがクソみたいな女だったらどうしよう」という一抹の不安が、冒頭5分で海の藻屑と化すのが大変すばらしかった!ミュージカルに憧れる声の出せぬイライザ、ふとした瞬間に刻むリズム。絶対いいヤツに決まってるよ…。泣いた。

美しすぎる幻想と非情な現実、その間をたゆたうように進むストーリー。水の中にいるようでなんとも気持ちいい。
マイノリティが抑圧され生きることが強いられる舞台である1960年代というのは、実は現代とまったくの地続きなのだと思わせる。生きにくい世界、ならず者たちが手を組み、息を吹き返していく過程に涙がとまらんかった。不寛容な時代に贈る、デルトロ発、素敵な“愛”のおとぎ話じゃないか!

そしてとにかく、自分も誰かの物語の主人公になりてぇなー、と強く思いました。